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06月23日-02号

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  1. 宇土市議会 2015-06-23
    06月23日-02号


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    平成27年 6月 定例会(第2回)        平成27年第2回宇土市議会定例会会議録 第2号           6月23日(火)午前10時00分開議1.議事日程 日程第1 質疑・一般質問  1.野口修一議員   1 スポーツと施設環境   2 図書館と歴史伝承   3 地域活性化公共物活用  2.平江光輝議員   1 小学校部活動社会体育移行について   2 まち・ひと・しごと創生 総合戦略の進め方について  3.宮原雄一議員   1 消防水利について  4.田尻正三議員   1 空家等対策の推進に関する特別措置法について   2 Wi-Fiの普及と活用について2.本日の会議に付した事件 議事日程のとおり3.出席議員(18人)    1番 今 中 真之助 君       2番 西 田 和 徳 君    3番 田 尻 正 三 君       4番 園 田   茂 君    5番 宮 原 雄 一 君       6番 嶋 本 圭 人 君    7番 柴 田 正 樹 君       8番 平 江 光 輝 君    9番 樫 崎 政 治 君      10番 野 口 修 一 君   11番 中 口 俊 宏 君      12番 藤 井 慶 峰 君   13番 芥 川 幸 子 さん     14番 山 村 保 夫 君   15番 杉 本 信 一 君      16番 村 田 宣 雄 君   17番 浜 口 多美雄 君      18番 福 田 慧 一 君4.欠席議員(なし)5.説明のため出席した者の職・氏名 市長      元 松 茂 樹 君   副市長     池 田 信 夫 君 教育長     浦 川   司 君   総務部長    益 田 輝 明 君 企画部長    荒 木 繁 男 君   市民環境部長  山 本 桂 樹 君 健康福祉部長  那 須 大 和 君   経済部長    田 川 修 一 君 建設部長    下 鶴 治 久 君   教育部長    前 田 保 幸 君 会計管理者   中 熊   聡 君   総務課長    中 川 玲 子 さん 危機管理課長  瀧 口 卓 也 君   財政課長    杉 本 裕 治 君 企画課長    石 本 尚 志 君   まちづくり推進課長                             川 上 誠 志 君 福祉課長    野 口 泰 正 君   高齢者支援課長 石 田   泉 君 健康づくり課長 舩 田 元 司 君   農林水産課長  小 山   亨 君 土木課長    野 添 秀 勝 君   都市整備課長  草 野 一 人 君 上下水道課長  山 口 裕 一 君   学校教育課長  佐美三   洋 君 指導主事    前 田 一 孝 君   文化課長    木 下 洋 介 君 スポーツ振興課長         長 溝 常 義 君6.議会事務局出席者の職・氏名 事務局長    宮 田 裕 三 君   次長兼庶務係長 西 山 祐 一 君 議事係長    清 塘 啓 史 君   議事係主事   志 垣   勲 君                午前10時00分開議             -------○------- ○議長(村田宣雄君) これから,本日の会議を開きます。             -------○------- △日程第1 質疑・一般質問 ○議長(村田宣雄君) 日程第1,質疑・一般質問を行います。発言通告があっておりますので,順次これを許可します。 10番,野口修一君。 ◆10番(野口修一君) おはようございます。政風会の野口でございます。6月議会で質問の機会を頂き,感謝申し上げます。 今回の質問は,スポーツと施設環境について,図書館と歴史伝承について,活性化に公共物の活用などの質問をいたします。執行部におかれましては,簡潔明瞭な回答をお願いいたします。 これから後は,質問席より質問をさせて頂きます。 ○議長(村田宣雄君) 野口修一君。 ◆10番(野口修一君) 今回は,3つの分野,9つの項目について質問いたします。 私自身は,スポーツといえば野外競技のサッカーに長く関わってまいりました。ただ私の学生時代の男子の野外スポーツは野球が中心で,社会人ではソフトボールが普及拡大し始めた時期でした。前回の東京オリンピック以来,様々なスポーツが普及し,スポーツ人口も増えていると実感をします。特に中高年にとって運動とスポーツは,健康寿命を延ばすことにつながると考えております。 最初の質問テーマは,スポーツと施設環境ですが,3つの質問を行います。テーマのきっかけとなった緑川小学校部活動総会の説明会で,これまでのサッカー部バスケット部を廃止し,総合スポーツの部活へ今年度から移行します。その理由は,現代の日本人の大人は運動習慣が低いので,小学生の時代から運動を好まない児童に運動の習慣を付けさせるため,様々なスポーツを経験させる部活に変えますと説明があり,聞いていてなるほどと受け止めました。 前置きはそこまでにして,以前から市が管理する運動施設はどれぐらいあるのかや,施設の年代別,男女別,季節ごとの利用者について関心を持っていました。 最初の質問は,宇土市内の大人達はどんなスポーツに親しんでいるのか,市民のスポーツ利用者を受け入れる公共物はどれくらいあり,利用者は年間どれくらいなのか,ご報告をお願いします。教育部長,お願いいたします。 ○議長(村田宣雄君) 教育部長,前田保幸君。 ◎教育部長(前田保幸君) 野口議員の質問にお答えをいたします。 宇土市内にありますスポーツ施設は,宇土スポーツクラブが指定管理を行っている市運動公園市民体育館・武道館・宇土市スポーツセンター市スポーツ振興課が管理を行っている各地区グラウンド・運動広場・地区体育館トレーニングセンター・学校の運動施設では7小学校と3中学校の体育館・グラウンドがあります。 使用状況についてですが,年代別・男女別の状況の把握はございません。スポーツ施設については,平成26年度運動公園,この中のグラウンドテニスコート,弓道場,武道館,体育館を合わせた延べ件数8,991件,人員が16万723人,スポーツセンターが3,909件,4万2,552人,地区体育館が2,546件,3万2,316人,地区グラウンドが1,183件,2万7,173人です。学校の運動施設は8時から22時までの間,学校が使用しない場合に利用ができます。現在は社会体育による夜間の体育館利用があります。市内の小学校・中学校を調べてみますと,網田小中学校は夜間の利用はありませんが,他の小中学校はほぼ毎日の利用がある状況となっております。 以上です。 ○議長(村田宣雄君) 野口修一君。 ◆10番(野口修一君) ご報告ありがとうございます。報告によりますと,平成26年度は運動公園の中の市民グラウンドテニスコート,弓道場,武道館,体育館を合わせて延べ人数は16万723人,花園のスポーツセンターは4万2,552人,地区体育館は3万2,316人,地区グラウンドは2万7,173人,合わせた合計人数が26万2,764人に上ります。宇城地域は30年ぐらい前から少年スポーツが盛んとなり,その経験をした宇土市の大人達はスポーツ愛好者が多いと理解できます。ただ,施設の利用を調べてみますと,毎週同じ日に同じメンバーで運動するのがほとんどと思います。スポーツには仲間も必要ですので,それも大事だと思います。人口構成の中で,性別も含め,どの世代がやっているのかも関心があるところです。最初のテーマの3つ目の質問にも関連があるのですが,その前に,今,子育て世代の大きな悩み事になっていることについて質問をいたします。 小学校の部活動が社会体育へ移行することを保護者がとても危惧していることについての質問です。最初に質問した宇土市内にある市が管理するスポーツに使える施設の利用状況は,年間延べ26万人を超える市民がスポーツや運動を楽しんでいる状況に私自身驚くと共に,たくましい宇土市民の姿も頼もしく思います。だからこそ,人口規模からすると小さい自治体ですが,昨年は県民体育祭では総合4位という素晴らしい成績を残しました。網田地区の網田小学校網田中学校体育館の夜の利用はないと聞きますが,それ以外のスポーツ施設はほぼ毎夜利用されていると聞き,もっと施設の充実が必要だと私は考えます。 これからが質問の本題です。網田地区の体育館以外のことについて3つの点についてお尋ねします。 まず,緑川小学校部活動総会での説明は,現代の大人社会は運動する習慣の人は少ないと指摘がありました。宇土市の状況は施設が足りないぐらいにスポーツが盛んです。小学校の全ての種目別スポーツが社会体育へ移行する場合,そのスポーツを指導するコーチ,監督は,平日は仕事をしていますので,仕事を終えてから小学校へ出向き指導するか,夜に子ども達がスポーツ教室に通うことになります。要は,小学生の社会体育は夕方からの練習になります。社会人のスポーツ施設の利用状況から考えると,宇土市の体育協会に参加するスポーツ団体に小学生の社会体育で利用する施設に関して,小学生が利用する時間には利用制限をお願いする必要が出てくるのではと考えます。特に野外スポーツに関しては,現在網津小学校市民グラウンドが隣接していますので夜間照明がありますが,他の小学校グラウンドには野外照明がないと思います。それと,これは網津小学校サッカー部の保護者から言われたことですが,市民グラウンドの照明を利用する場合,照明利用料が高く,社会体育運営では保護者の大きな負担となり,運営ができなくなる可能性があると厳しい口調で意見をされました。また,別の野外スポーツの保護者からは,晩秋,冬,早春時期での練習で小学校にハンドボールコート程度の広さを照らす野外照明を付けて欲しいこと,照明利用の補助も含めて考えて欲しいと要望を何度も聞いています。社会体育へ移行するが,金の掛かる民間のクラブへ入れるのではなく,保護者と地域が協力して運営する地域クラブ小学校グラウンドで練習できるよう利用経費が安く使える野外照明の設置はできないか検討して欲しいとの意見です。別の意見ですが,鶴城中学校には夜間照明付きの人工芝の素晴らしい第2グラウンドがあります。野外スポーツをする人たちは利用したいと声がとても多いので,できれば7日間全て夜開放して欲しいとの要望もあることを報告しておきます。 これまでの前向きの話に踏まえて,2つの質問は宇土市のスポーツ施設の現状と利用状況,加えて夕方から利用することになる小学生の社会体育の利用者への配慮などなど難問山積ですが,その対応策について教育部長にお尋ねをします。教育部長,お願いします。 ○議長(村田宣雄君) 教育部長,前田保幸君。 ◎教育部長(前田保幸君) 議員の質問にお答えいたします。 まず,これまでの熊本県では,小学校運動部活動が児童のスポーツ活動を担ってまいりました。心身の成長過程にある青少年期は,体力を向上させるとともに,人格の形成に大きな影響があり,生涯にわたる健全な心と体を培い,豊かな人間性を育む基礎となるものです。 このようなことから,学校教育の一環として,小学校運動部活動が行われてきました。しかし,少子化に伴うチーム編成の困難,保護者や児童のニーズの多様化,また指導者不足などの課題に対応し,児童にとって適切なスポーツ環境を確保するために,県から小学校の運動部活動を社会体育へ移行する指針が示されました。 次に,小学校の社会体育と大人の運動推進についての両立並びに,野外スポーツ小学校施設を利用する場合の照明灯の整備についてですが,6月に設置されました小学校部活動検討委員会や各小学校に設けます校内委員会で検討を進めてまいります。施設利用に関しては,検討委員会での協議事項を基に,小学校運動部活動から移行した社会体育と既に活動をされている社会体育において調整会等を行い,社会体育同士の両立を図ってまいります。 また,小学校運動部活動社会体育移行に伴い,必要となります施設整備に関しては,現在あります社会体育施設の利用などを踏まえて検討してまいりたいと考えています。 以上です。 ○議長(村田宣雄君) 野口修一君。 ◆10番(野口修一君) 回答ありがとうございます。多分,昨年の回答頂いたのに少し内容が加わりましたぐらいで,検討会がこれからですし,県の方針が出たばかりですからこんな回答になるしかないだろうと受け止めました。それについては反論はありませんが,その状況下で,何で緑川小学校だけが今年から部活動を打ち切り,種目別の専門スポーツを止めたのか,やはり理解できないところです。5月の部活動総会では,3日間先生が交代して日替わりで多様なスポーツを経験させますと説明しながら,3日間のうち男子は2日間はサッカーだけをやっているのも部活動総会での説明とは違っている気がします。これは,教育委員会が各学校へ任せる方針だから,こんなちぐはぐな学校対応になっているのではないか。お陰で,網津小学校緑川小学校で今度合同で地域クラブを立ち上げようという動きになっております。納得な現状を知ってもらうために何度もあえて繰り返し緑川小学校の状況を報告しておきますが,それだけみんな保護者が緊張感を持って,ここ2年の間に準備を続けていることも知って欲しいと思います。 次の質問に移ります。緑川小学校社会体育移行説明の気づきで,宇土市の大人の世代のスポーツと健康について,さらにお聞きしたいと思います。また,繰り返しになるのですが,緑川小学校部活動総会で説明があった現代の日本の大人は運動習慣が低いと指摘があり,だから小学校時代から運動を好まない生徒に運動の習慣を付けさせるために総合スポーツ部の部活に移行すると説明がありました。私は,宇土市の大人は世代別にどのようなスポーツに親しみ,年間どれぐらいスポーツ時間を使っているのか,さらにスポーツ愛好者とそうでない人の医療機関の利用状況について関心を持ちました。 そこで,これまで宇土市の様々な市民ニーズの調査で見てきた中で,スポーツと健康の関係については調べていないと思っていましたので,実は5月22日に東京の国立国会図書館に出向き,政府の各省庁が行っている世論調査にスポーツと医療の関係について調べに行きました。結果は,残念ですがここ数年来の世論調査の資料にはスポーツと健康,さらには医療機関の利用のアンケートなどはありませんでした。世論調査というものの感想についてですが,日本は単一民族と言われておりますが,全国そう変わりないデータの内容を見て,やはり国の世論調査は役に立っていると感じて帰りました。また,宇土に帰ってすぐ,荒木企画部長に国が行う世論調査の結果や資料等は市町村に送られてくるのですかとお尋ねをしました。答えはノーで,アンケート活動には使われるが,その結果の報告はないとわかりました。これを聞き,地域の特性は自分で調べるしかないなと思ったところです。 そこで,確認の意味を込めて宇土市でスポーツと健康に関する情報はどんなことを集めているのかを知るために質問をいたします。聞くのは,宇土市の大人世代でどれだけの人たちが運動習慣があるのか。次に,運動習慣のある人とない人の医療機関の利用状況のデータがあるのか。最後が,もし宇土市民の運動と医療の関係の調査を行ったことがあれば,少しでもいいですから調査の内容も含めて健康福祉部長に報告をお願いいたします。 ○議長(村田宣雄君) 健康福祉部長,那須大和君。 ◎健康福祉部長(那須大和君) まず,大人世代での運動習慣があるかについてお答えをいたします。 平成22年度に健康うと21ヘルスプランを策定するに当たり実施いたしました市民健康意識調査によりますと,調査回答者783人のうち,「現在週2回以上,30分以上,運動やスポーツをしている人」は市全体で31%。年代別で見ますと20歳代が29.3%,30歳代が11.5%,40歳代が26.2%,50歳代が30%,60歳代が39.7%でした。運動の実践状況は余り高いとは言えず,特に30歳代で「運動をしていない人」の割合が8割以上を占めている結果でございました。運動をしない理由としては,「時間がないから」47.8%,「仕事や家事で疲れているから」47.6%が高く,「運動」や「スポーツ」に限定せず,気軽に身体を動かすための取組みが必要ではないかという課題が出てまいりました。 次に,運動習慣のある人とない人の医療機関利用状況のデータについてですが,本市では調査したことがないのでデータはございません。 また,運動と医療の関係調査についてですが,医療については個人情報の観点から調査するとなると非常に難しいものがあると思われます。議員もご承知のとおり,一般的に運動を実践することにより,身体的,精神的,社会的な健康レベルが向上すると言われています。また,運動の継続によって予防できる病気として,高血圧や糖尿病,脂質異常症などの肥満が原因となる生活習慣病が上げられます。しかし,医療費の発生する条件が運動,スポーツで予防できる疾病だけでなく,その他多くの要因が挙げられることから,一概に運動,スポーツ実施者が増えることで医療費が減少するとは言えないという報告もあっているところでございます。 運動を通して健康レベルを向上するためには,まず運動を始めること,そして運動を継続することが肝要であると思われます。健康づくり課としても特定健診を取りかかりとして,ふだんの日常生活で気軽に身体を動かす身体活動を増やすような意識の啓発を引き続き実施していきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(村田宣雄君) 野口修一君。 ◆10番(野口修一君) 詳しい説明,ありがとうございます。運動不足になっているのは,意外と30代だったことを知り,そのうち運動している人が最低の11%程度,次に20代,40代,50代が25から30%程度で,さらに熟年世代に年齢が上がると運動に使える時間も増えているのかなということを思いました。 これまで何度か健康について質問してまいりましたが,健康保険を使う側の高齢者は健康維持のためによく運動されています。確かに若い世代は元気もあり,運動ならいつでも来いだと思いますが,日頃の運動習慣について検証すると,運動習慣のある若者とない若者では運動能力の差が歴然とする風景をレクリエーションや大会などで何度か見てきました。日頃の運動が足りないほど,運動後に医療機関に行くことも多いように思います。若い世代が運動不足であることはわかりました。運動している人としてない人は,医療機関の利用も微妙に違います。高齢者になっても元気に運動している方の多くは,40代後半から50代に運動習慣を付けて,後半生の健康寿命を延ばしておられるように感じます。これからは,後半生の健康寿命を延ばすために40代,50代に運動習慣を推進することと,高齢者の貯筋体操を推進していくことで健康寿命を延ばし,少しでも健康保険の上昇カーブが緩やかになるように,ぜひ40代,50代を中心に運動の勧めを強く啓発することをお願いして,この質問を終わります。 次のテーマは,知識や歴史や伝承や偉人などについてお尋ねをします。 まず,私は先輩から,質問はしっぱなしではいけない。1年か1年半ぐらい過ぎたら,執行部の回答した内容について,その後どう進んでいるのか確かめる質問を忘れないことというアドバイスを受けました。 そこで,以前に質問した図書館の民間委託に関することと,昨年に調査を終えていると思います現在の図書館の耐震診断評価をお尋ねしたいと思います。図書館の耐震診断結果と民間委託の検討状況について,教育部長にお尋ねをします。 ○議長(村田宣雄君) 教育部長,前田保幸君。
    ◎教育部長(前田保幸君) 議員の質問にお答えをいたします。 宇土市立図書館は,昭和51年5月に開館し,当時としては斬新な施設として注目を受けておりましたが,それから39年が経過をしております。図書館の耐震診断調査を平成25年の5月から平成26年の3月までの工期で実施しました。耐震診断調査では,建物の強度や粘りに加え,その形状や経年状況を考慮した耐震指標であるIs値を計算し,耐震性能を判定いたします。今回,図書館の調査結果は,鉄筋コンクリート2階建ての1階部分の桁行方向のIs値が0.38という数値で,基準の0.7を下回っており,耐震性能を満足していないという判定でした。 その対応策として,鉄骨ブレース工法が提案され,補強工事を施せば,今後も使用可能な建物であるとの報告がなされていますが,この工法では図書館の1階の郷土資料室の展示に支障が生じる問題もあります。 そこで,市立図書館の今後につきましては,今定例議会に上程されています議案第50号「宇土市庁舎建設検討委員会設置条例」第2条第1号,「新庁舎の基本構想案に関する事項」の中で,「その他公共施設再整備に必要な事項に関すること」と規定されていますので,他の公共施設と同様に,この委員会で検討していくことになります。 最後に,これからの図書館の管理運営についてですが,来年度に策定が予定されている「第8次宇土市行財政改革大綱」を受けて,指定管理者制度を導入する方向で検討していきたいと考えています。 導入時期に関しましては,先に述べました「市庁舎建設検討委員会」の答申の内容によって判断をしたいと考えています。 以上です。 ○議長(村田宣雄君) 野口修一君。 ◆10番(野口修一君) 報告ありがとうございます。今後の市庁舎建設検討委員会の答申待ちということなのですが,検討委員会での議論に市街地の市施設の老朽化対策を急ぐことと,市民の利便性を向上させる複合施設化も検討の対象にして欲しいことを要望して,この質問を終わります。 次の質問に移ります前に,2番目の質問に至る前の説明をするほうが回答もしやすいと思いますので,5月の政務活動との関係がありますのでお話をいたします。 5月24日,政務活動で江戸東京博物館にまいりました。江戸東京博物館は,江戸から昭和期までの江戸と東京のまちを再現しながら歴史を学ぶ施設です。私が調査したのは,まず海外からの訪問者は,どんな時代の,どんな展示物を熱心に見学しているのかということです。2週間前の新聞に海外からの観光客の観光目的は,アジアからの観光客は日本に買い物や食べ物を目的に来るようですが,北米やヨーロッパからの観光客は日本の歴史文化や生活体験を目的に長く滞在するスタイルが多いと分析をしていました。江戸東京博物館は,北米やヨーロッパからの訪問者は江戸時代の庶民生活を再現した展示場所を熱心に見て,写真を撮り,説明本も詳しく読んでいました。係の人に質問する場面も見ました。ただ西洋文明が入ってきた明治・大正期の展示物には関心を持たず,太平洋戦争のことを展示している場所に長く留まっていました。それと,これは世界文化遺産に指定が近い明治の産業革命遺産群の三角西港はとても今人気が上がり,訪問者が増えています。この歴史好きな方々のうち車利用の訪問者を帰り道で宇土の名所旧跡に寄らせるには,今の時期ではあじさい公園のあじさいや干潮の干潟が美しい御輿来海岸と思います。この前,御輿来海岸にまいったときに東京からの訪問者で,これは元々はお父さんが熊本出身ですけれども,娘さんがネット上の日本の絶景で御輿来海岸を見つけて,ここに行きたいと言って連れてきたという話を聞きました。これからは映像の世界であり,ネットの社会なので,海外からの訪問者も増えてくると期待をしています。 前置きの話はそこまでで,2番目の質問は,今回市が購入した市街地にある武家屋敷,高月邸について,いくつか内容をお聞きします。 まず,改修はいつから始めるのか。もし,現在進行中なら状況報告と完成時期について報告をお願いします。江戸東京博物館の海外からの来訪者から考えると,建設当初の時期に併せて整備すべきと私は考えます。もし,江戸時代で整備するのであれば,生活文化がわかる展示を工夫し,加えて三角西港の見学者をいかに宇土に呼び込むかについても考えをお聞きしたいと思います。教育部長,高月邸の今後の取組みについて,説明をお願いいたします。 ○議長(村田宣雄君) 教育部長,前田保幸君。 ◎教育部長(前田保幸君) 議員の質問にお答えをいたします。 はじめに,門内町の武家屋敷「旧高月邸」の改修に関しましては,改修に先立つ簡易な補修について,今年の4月に市民グループで「武家屋敷再生プロジェクト」を立ち上げて頂き,ボランティアの方々と協働で作業を進めています。5月の連休には,市内外の方々と昭和時代に増改築された内装材の撤去を行いました。今年度は,その後,母屋の修理工事や電気設備工事といった補修工事を予定いたしています。 また,活用面では,5月30日に商工会主催の100円商店街の親子スケッチ大会の場として,さらに6月10日から古文書講座がスタートしました。 今後は,お地蔵さん工房,すずり工房,文化財保存修理講座等を開催する計画です。 そこで,武家屋敷の「旧高月邸」の解体を伴う本格的な保存整備工事については,日本最古の現役上水道である轟泉水道とセットで国の指定を受けてからの事業化を計画しています。 国の指定に向けての取組みは,「文化的景観」として,轟水源一帯から船場橋までを指定の範囲と考えています。今後は,文化庁,県文化課と連携を取りながら,できるだけ早い時期に国の指定を受けられるように努めてまいります。 次に,武家屋敷の「旧高月邸」の整備をどの時代に合わせて整備を行うかということですが,年号が「文政13年,(西暦1830年)」の棟札が発見されており,今から185年前の建築で,県内で最も古い武家屋敷になります。可能な限り,この時代に復元するのが最もよい案と思いますが,復元に当たりましては,建築家の専門の先生方の指導を受けながら保存整備の策定をしていくことになります。 また,江戸時代の様子を知るために,高月家で所蔵されていた古文書約100点を解読中です。併せて,旧高月邸には轟泉水道の井戸がありますので,市内を巡る歴史散策の拠点施設として文化財を生かしたまちづくりができるものと考えます。 近年増加している海外からの観光客に対し,日本文化で最も興味のある江戸時代の様子がわかる展示になるように工夫したいと思います。 また,今後,三角西港が世界文化遺産に登録されることになれば,国道57号やJR三角線を利用した観光客の大幅な増加が予想されます。教育委員会としましても,近代化遺産関連では,国の登録有形文化財の網田駅舎を中心に,市内の各地域で全国に誇れる歴史文化資源が数多く存在していますので,活用を図り,集客につなげていきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(村田宣雄君) 野口修一君。 ◆10番(野口修一君) 詳しく説明,ありがとうございます。何かこちらの考えに沿ったような回答になりましたが,観光客は何に興味があり,どんな世代,どの地域からの来訪者をターゲットにするのか,マーケティング的な手法も工夫して,江戸情緒の表現と江戸前期の産業遺産でもある轟泉水道とも組み合わせてアピールして頂けると,歴史文化に関する高い海外の観光客も国内の歴史研究者も訪れるのではないかと期待をします。 宇土は,これまで古墳や中世までの検証に力を入れてきたような感じを受けます。グローバル化の時代になり,観光も情報発信をいかにしていくのかの時代になりました。実は,ここ4カ月近く,私は御輿来海岸の写真と動画をブログやフェイスブック,ラインなどを使ってネット上に配信をし続けました。私の情報をきっかけに,県内外から御輿来海岸へ来てくれた方が50名を超えています。観光客の誘致は,市民一人ひとりの発信力ではないかと,最近つくづく感じています。 そこで,これはお願いですが,宇土市職員にフェイスブックにできるだけ加入頂き,職員一人ひとりが宇土市の観光宣伝隊員となり,宇土市の身近な話題や観光情報をどしどし発信して欲しいのです。観光は,人と人がつながることが最大の引力であり,磁力となります。できれば,宇土市職員有志でフェイスブックの活用を考えるワーキングループを創設し,市職員だけでなく市民一人ひとりがスマートフォンやタブレットを使い,宇土の売り込みを推進する啓発をして欲しいと願います。 加えて,これは東京視察で気付いたことですが,銀座熊本館の2階の熊本の観光の紹介コーナーに宇土市だけでなく,宇城市,美里町の観光資料が置いてありませんでした。ぜひ市役所をあげて観光協会とも協力して,広域連合や県へ要望して欲しいことです。このことも提案して,この質問を終わります。 次の質問に移ります。前の質問でお話をした江戸東京博物館の視察には,もう一つ別の目的があり,全ての展示を見て回りました。その調査の目的は,歴史上で日本に通用する宇土市出身者を江戸東京博物館で見つけたい思いで,東京の友人の歴史研究家も手伝ってもらい探しました。宇土市出身で唯一大きく展示された人物は,江戸時代の相撲コーナーの不知火諾右衛門だけでした。特に江戸時代の相撲コーナーの不知火諾右衛門,大きな錦絵になっていました。他の江戸時代の相撲発展の功労者は,そんなに上手でない白黒の手書きの絵が展示してありました。私のこれは私見ですが,歴史上,宇土市出身で日本に通用する人物は,土俵入りの不知火型の創始者の不知火諾右衛門ではないかと思っております。そしてもう一人,私の考える,日本に売り出すことのできる人物は,日清戦争の勝利に向けて中国本土で諜報活動した東与通信社社長宗方小太郎と考えております。宗方小太郎は,このうと今昔百物語に出たことで知られるようになりましたが,つい最近まで資料等が少なく,もともとスパイですので情報はネット上とか様々なところにありませんので,宇土の市民のごく一部の人か,熊本県の東アジアの歴史に詳しい数名の人しか知られていませんでした。1997年に中国の歴史家,これは熊本で出版されている本ですけれども,もう絶版になっておりますが少しはあるそうです。中国の歴史家の馮正宝氏が出版した「評伝宗方小太郎,大陸浪人の歴史的役割」から熊本でも話題になり,歴史に関心のある人たちが少しずつ知るようになりました。これも,故人の日記を基に伝記が書かれておりますので,多分,ネット上を探しても全然情報はありませんから調べることはできないと思います。 そこで,宇土市の市史編纂に関わられた大阪大学名誉教授猪飼隆明先生に宗方小太郎について評価を尋ねました。「宗方は,当時の東洋一のスパイ」と高く評価されております。この時期に何で宗方小太郎かと言いますと,現在熊本市は日露戦争の勝利へ向けた諜報活動で活躍した諜報将校石光真清を大きく取り上げはじめました。この石光真清の先輩格が日清戦争で活躍した宗方小太郎です。もう世に出してよい時期ではないかと考えております。宗方小太郎は石光真清と違い民間人で,幕末の教育を受けた志士の志を持ち,大陸への列強の圧力に対する反対運動の活動家として熊本から渡った大陸浪人の一人です。熊本では,孫文を支えた宮崎兄弟が有名ですが,熊本県出身の大陸浪人は,当時200名を超えていたと言われます。宗方の志の発端は西郷隆盛の危惧したロシア南下に対抗してとのことでした。 以前,一般質問の中で宗方小太郎を紹介しましたが,初めて聞かれる方もおられると思いますので,再度短く説明をいたします。宗方は,西南戦争後に後に国会議員になる佐々友房に感化され,大陸へ向かいます。大陸では,学校や商社の経営に始まり,その後,東アジアの繁栄を目指す新聞社を創設し,それが現在の共同通信の4つの母体の一つ,東与通信となり,東与通信の社長をしながら日本海軍の命を受け,日本全土の対象に諜報活動を続けました。特に活躍したのが日清戦争の直前に敵の基地深くに潜入し,清の北洋艦隊の実力や兵士の士気の分析状況,開戦前夜まで調査し,逐次広島日本海軍の諜報部へ情報を送り続けました。そのお陰で,まだ軍備が充実してなかった日本海軍が勝利できたと言われております。日清・日露戦争の時期には,日本の国家予算の半分近くが軍事費に使われたとのことです。この軍備拡充を支えたのが,今度世界文化に指定される三角西港や万田港を含む明治の産業遺産群です。日清戦争の目的を果たさないと国費が無駄になってしまうと政府も軍も必死だったと思います。 この質問の趣旨は,あの国技館と併設する江戸東京博物館にある不知火諾右衛門の人物説明の下に10文字ぐらい空きがあるので,そこに熊本県宇土市出身の8文字を追記したいことと,次がもともと宗方小太郎はスパイですから,歴史上に残された情報はほとんどありません。民間人で,命がけで日本のためにスパイ活動を続けたことは,国を背負って動く国史の一人として全国に売り出す価値は十分にあると考えております。 そのために,まず宇土市民が不知火諾右衛門と宗方小太郎という人物を知ること,それを知人,友人に伝えることが最初の取組みになります。 これまでも広報うとで偉人シリーズが何度か特集されたと聞いております。地元の人物の掘り起こしもとても大事だと思いますが,宇土市の少年少女たちが誇って全国に語れるような,全国に売り出せる二人の人物を知らせること,加えてうと今昔百物語で取り上げた人物や以前の偉人シリーズ等で取り上げた人物も含めて,宇土の偉人たちとして宇土広報に特集して,市内外へ周知を図ることを提案いたします。 まず,教育長のお考えを聞きたいと思います。 ○議長(村田宣雄君) 教育長,浦川司君。 ◎教育長(浦川司君) お答えします。 本市では,平成4年から平成20年度の17年間にわたって,「市史編纂事業」を行い,最終年度に「うと今昔百物語」を「新宇土市史」の普及版として刊行しております。歴史上の出来事や人物など宇土歴史を代表する100項目を抽出し,わかりやすい内容で書かれていて,3千冊を印刷し,現在2,700冊程度が出回り,一般の市民の方々に読まれています。掲載しております人物の代表例として,「第57話 不知火土俵入りはここから始まった」の不知火諾右衛門,「第74話の宗方小太郎と清国海軍の情報」,「第33話の宇土で育った天草四郎」など13項目が人物主体に書かれています。また,「新宇土市史」の通史編第3巻には,明治から昭和にかけての人物28人をコラムとして紹介しています。市の広報においても,昭和28年3月には上羽勝衛,昭和40年代には武藤玉仙,小畑惟清,嘉悦儀三郎など16回の連載,昭和50年代には小西行長,細川行孝,細川興文,不知火諾右衛門なども紹介されています。市史編纂で収集した資料は膨大な数になり,特に子ども達にわかりやすく説明をしていき,郷土の誇りとして,宇土市を築いた偉人や宇土市出身で日本を代表する人物や国外でも活躍した人物に光を当てていく必要があります。 今後も,宇土市の歴史上の人物の再検証を行いながら,成果を広報やホームページ等で紹介していきたいと思います。 以上です。 ○議長(村田宣雄君) 野口修一君。 ◆10番(野口修一君) ありがとうございました。ぜひ早い時期に,1年半か2年ぐらいの期間をかけて歴史の特集として掲載をお願いしたいと思います。特に不知火諾右衛門と宗方小太郎は,2回から3回に分けて詳しい説明を頂けるとありがたいと思います。よろしくお願いいたします。 今回の市史編纂では,先ほどの説明にもありましたように,長期に亘って詳しい資料が集まり,いろいろ新しい史実が発見されました。これまで宇土市の歴史検証事業は,中世以前のものが多かったように思います。新たな資料の発見もありましたので,江戸時代から大正期あたりまでの歴史検証についての考え方,特に二つ目に質問した武家屋敷の高月邸の活用や今後提案した近世近代の宇土市の偉人の紹介について,元松市長の考えをお聞かせ頂ければありがたいです。お願いします。 ○議長(村田宣雄君) 市長,元松茂樹君。 ◎市長(元松茂樹君) ご質問にお答えします。 宇土の歴史をいろんな方に知ってもらうという,それを市の活性化の起爆剤にできないかというようなところが趣旨にあるのではないかなと思っているわけですけれども,市民の関心をいかにして高めるかというところが一番問題だと思います。その中で,高月邸に関して,先般,市民グループの武家屋敷再生プロジェクト,ボランティアの市民の皆さんがいらっしゃいます。皆さんとランチトークをさせて頂きました。高月邸の中でご飯を食べさせて頂いたんですけれども,非常に意識が高い方でございます。ゴールデンウィークあたりにもこの修理,調査があったんですけれども,その調査にも加わっておられまして,自分たちでこの大事な資源を何とかできないかということで頑張っておられる。歴史ボランティアの方も同じなんですけれども,そういう方がおられるということ。そして,また不知火諾右衛門に関しましては,昨年度,地元栗崎区において,あそこの場所をもう少し整備をしようじゃないかということで整備がされております。先般,私も行ってきましたけど,数年前とはもう全く違う光景になっておりまして,地元のパワーはすごいなというところを感じたところです。今年は不知火諾右衛門の墓の横に土俵をつくって相撲大会を開くということで,栗崎区で今,企画をされておられます。地元が盛り上がること,地元が盛り上がってないと他の人はなかなか,よその人が受け入れてくれない。小西行長もそうだと思います。最初から小西行長について人が集まったわけではなくて,少しずつ地道な研究を続けてきた上でシンポジウムとかも開いて,やっと認知されるようになってきた。そう考えると,地元で関心を持つ方をいかに増やしていくかが今後の大きなポイントではないかなと思っております。 市史の編纂事業でいろんな資料も揃っているわけですけれども,最近,うと今昔百物語ですとか,市史の編纂の中で専門的な部分で偉人,あるいは歴史等の紹介がなされておるわけですけれども,近年の広報でいきますと,小西行長についてはちょくちょくこれは出てきますのでこれは別格としましても,シリーズとして網羅的に宇土の偉人のことを捉えたような企画は私は記憶がありません。先ほど教育長の答弁にもありましたけれども,昭和40年代とか50年代とかいう話があって,これは30年もう40年も前の話でございまして,そう考えると,紙面の関係であんまり詳しい記事は載せられないかもしれませんけれども,コラム的な扱いでもいいのでずっと連載して取り扱っていくことができないかなというところを最近思っているところでございます。広報についてもそうですけれども,私たちも新聞の特集の記事とかがあって,上下とか,1,2,3とか出るとき,1回読んだらずっとそれを読み続けるんですね。そういうような意味で,次の号を期待してもらえるような内容が入ってくると,市民の皆さんにも興味を持ってもらえるのかなと。まずはこういったところから広報に関しては企画を考えてみなければならないと思っています。 そして,また公式サイトのデジタルミュージアムについてですけれども,非常に構成的にはいい作りになっているんですけれども,小西行長については非常に詳しく入っております。ただ,他の偉人については,余り深くは触れられていないと。このあたりも,これは対外的な面が多くあるのかなと思いますし,若い人向きになるのかもしれませんけれども,充実を図っていく必要があるのかなというところを今感じているところでございます。 いずれにせよ,こういうような動きを重ねていくことで,市民による偉人の検証にもつながり,ひいては郷土愛につながる,地元の自慢につながる,それが宇土に人が来て頂くためのポイントになるのではないかなと考えております。今後,いろんなことを企画してまいりたいと思っております。 以上です。 ○議長(村田宣雄君) 野口修一君。 ◆10番(野口修一君) 前向きな,将来楽しみになるようなお話で受け止めました。 実は,日曜日に熊本県文化協会の吉丸会長に会う機会がありまして,不知火諾右衛門は宇土出身者で,歴史上通用するという話をしましたら,「それはいいことなので,名前が江戸東京博物館の説明に熊本県宇土出身と入るまで頑張ってみると良いたい。」という話をされました。宇土という名前が江戸東京博物館に出るというのはなかなかないことなので,市民上げて力を入れて,あるいは栗崎が一番だと思いますけれども,そこから発信していって,江戸東京博物館のど真ん中に熊本県宇土市出身という名前が入ればいいなという変な思いを持ちながら質問を終わりたいと思いますけれども,これからも歴史に関しては何度か質問すると思いますので,どうかよろしくお願いいたします。 最後のテーマに移りたいと思います。活性化に公共物の活用とよくわからないような題なんですけれども,3つありますので,手早くやりたいと思います。 今年の冬から宇土市内のアマチュアカメラマンにお誘いを受けて,御輿来海岸の,先ほどのお話じゃないですけど海岸の夕日を撮影するようになりました。何度も干潟の鑑賞時間に行ったときの経験からの質問です。御輿来海岸の鑑賞時間の見頃情報は,宇土市のホームページなどで関心を持った方が現地の鑑賞に来られています。毎年御輿来海岸のファンが増えていて,2月,3月,4月,ゴールデンウィークなどは,遠くは北海道をはじめ,関東,関西,広島,あるいは四国,九州各地から毎月の夕日の干潟に合わせて来るようなカメラマンもおられることを知りました。毎回現地に出かけていくと,駐車場不足と,夕日の時間だけですけれども,多いのはですね,道路の狭さと荒れようが気になります。そもそも観光用道路ではありませんので,急にそこまで整備はできないと思いますが,この質問のきっかけになったのは,久留米から来られた若いカップルが,多分宇土市のホームページから土曜日の夕方に干潮になる日を確認して来られたんですが,駐車スペースがなく,探している移動中に路肩の柔らかいところにタイヤを落として動けなくなり,レッカー車を待っておられるときにすれ違いました。多分,夕日どころではなく,せっかく遠くから来られたのにとても気の毒でなりませんでした。島山には道路がいくつかありますが,遠回りでもよいですので,一つでもいいからきれいに舗装して観光客を受け入れることができないか,建設部長にお願いというよりは,改修工事の早期着工ができるのかについてお尋ねをします。建設部長,お願いします。 ○議長(村田宣雄君) 建設部長,下鶴治久君。 ◎建設部長(下鶴治久君) お答えいたします。 現在,島山の展望所に干潟鑑賞に訪れる観光客が年々増加していることは承知しているところでございます。この島山の展望所に通じる道路は,市道及び農道となっております。市道の途中から海岸が見えるほうへ入り込む道路が農道であり,市道,農道共に道路幅員が狭く,車の離合ができない状況でございます。農道につきましては,今後,農林水産課で離合箇所や視距の確保等の検討が行われる予定でありまして,土木課所管の市道であります塩屋・戸口線につきましては,現在道路改良事業を計画しているところでございます。 道路改良の計画としましては,塩屋方面からと戸口方面からの両側から農道出入り口まで市道部の整備を考えておりまして,今年度はその区間の測量設計を行い,道路用地がどの程度必要になるか見極めた上で地元と協議を行い,地権者の協力を得ながら事業を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(村田宣雄君) 野口修一君。 ◆10番(野口修一君) 報告ありがとうございます。今年度から測量設計に入るということですが,できれば来春の干潟鑑賞の最適時期まで道路が一部完成すればありがたいなというふうに思っております。 何度か干潟を見に行く中で,荒尾にお住まいのある方が,1人の男性が竹を切りに,片付けに,干潟の時間になると荒尾から出てきて片付けをやられております。そういう熱き思いを持った他の地域の人達もおられますので,できれば地元がそういうことに答えられるように早く道路ができればなというふうに思います。 次の質問に移ります。同じく西部地域の活性化というか,福祉関連施設に関する質問です。西部地域の産業は,最近,特に老人福祉施設が増え,勤務する人も増えています。そこで,市の管轄する福祉関連施設の民間委託の要件に地域活性化の協力が加味できるかについてお尋ねをします。 それをなぜ聞くかといいますと,現在の公共施設委託の要件に地域活性化の発想が欠けているように思うからです。特に西部地域にある施設は,地域団体と協力して賑わい創出をする使い道を考えるべきと思うので,その点について聞きます。 宇土市福祉館あじさいの湯と宇土西部老人センターの2つの施設の委託条件に地域活性化の要件が評価として加味できるのか,健康福祉部長に市の方針の説明をお願いします。 ○議長(村田宣雄君) 健康福祉部長,那須大和君。 ◎健康福祉部長(那須大和君) 西部地域にあります,現在指定管理者が管理する福祉関連施設,健康福祉館と西部老人福祉センターの委託要件に地域活性化の協力が加味できるかというご質問にお答えいたします。 まず,網津地区にあります宇土市健康福祉館,愛称あじさいの湯は,その名のとおり,一般の温泉施設とは違い,主に市民の健康福祉に寄与する目的で建てられた施設でございます。このため,施設として地域活性化を全面に押し出しての指定管理者の募集は難しい部分があります。ただ,現在の指定管理受託者は,ご利用者の送迎のために健康福祉館の地元地域を回る温泉号の運行や,介護施設と連携した介護予防活動,宇土スポーツクラブや地元ゴルフ場と連携した割引サービスの実施,また,地域住民と共同でフットパスコースづくりに参加するなどの地域活性化事業を自主的に行っておられます。 これらのことを踏まえ,平成28年度からの指定管理者の募集要項では,地域住民とのつながりを重視した運営姿勢を基本的な考えの一つとして掲げ,市や地域との連携も評価の参考にする予定にしております。 次に,網田地区にあります西部老人福祉センターについて申し上げます。老人福祉センターは老人福祉法第5条の3の規定に基づく老人福祉施設で,西部老人福祉センターは同法15条第5項により宇土市が市内2カ所に設置している施設の一つであります。 老人福祉センターは,無料又は低額な料金で老人に対する各種相談に応じると共に,老人に対して健康の増進,教養の向上及びレクリエーションのための便宜を総合的に供用することを目的とする施設でありまして,西部老人福祉センターにおきましても,健康ダンスや囲碁,将棋,舞踊,大正琴クラブ等の講座が開催され,平成26年度の1年間で延べ3,637名の方が利用されております。指定管理において,地域活性化の視点も掲げるべきではないかというご提案でありますが,施設の設置目的が高齢者の福祉向上であるという点は,まず抑える必要があると思います。その点を踏まえた上で,地域とのつながりの中で,地元高齢者を含めた幅広い年齢層の方に参加して頂くような活動,イベントを企画運営するという計画については,高い評価をすべきであると考えております。 以上でございます。 ○議長(村田宣雄君) 野口修一君。 ◆10番(野口修一君) 説明ありがとうございました。健康福祉部が担当する施設の民間委託の方針説明で,あじさいの湯は一般の温泉施設とは違い,主に市民の健康福祉に寄与する目的で建てられた施設であります。そのため,施設として地域活性化を全面に押し出しての指定管理募集は難しいと説明がありましたが,来年度からの指定管理者の募集要項に地域住民とのつながりを重視した運営姿勢の基本的な考えを一つとして上げ,市や地域との連携も評価の参考にする予定との考えに盛り込まれることに期待をいたします。 私は,見方を変えれば宇土市に唯一ある公設の温泉センターとも考えています。もっと利用者を増やし,現在よりも施設自体の賑わいも必要ですし,住民団体と連携した地域活性化も積極的に関わることが必要と考えています。将来は,学校運営のコミュニティスクールのように,営利はもちろん大事ですが,当初の目的,主に市民の健康福祉に寄与する目的で建てられた施設ならば,宇土市の西部地域は福祉産業が経済的にも地域を支えていますから,福祉と健康の視点で活性化策を地域活動団体と協力して行うことを募集評価の中で重要視していくことが,宇土市西部地域の活性化につながりますし,小さな商業ルートも育つ可能性がありますので,賑わい創出の拠点としてあじさいの湯を捉え,民間委託の実現を望みます。 次に,老人センターに関しては,法の縛りがあると思いますが,あれだけ人も入れるし,施設も充実しているので,多様な使い方をやるべきと考えます。6月14日は,昼は昭和の映画と素人演芸で大勢が集われ,夜は網田の住民160名近い方が参加した西山県議の県政報告会が開催されました。ある意味,多様に使える集会施設と思います。送迎バスもあります。世代間交流の拠点になり得る施設と思っています。考えは違うかもしれませんが,山都町では朝夕使うスクールバスを日中は地域のコミュニティバスに活用しています。法の縛りはあると思いますが,宇土市西部老人福祉センターも,また学校運営でのコミュニティスクール的発想で,地域に開かれた施設として活用できるようにすることは,これから必要なことのように思います。今後,検討頂けますようにお願いして,この質問を終わります。 最後の質問に移ります。国営事業の協力と西部地域の将来を見据えた対策についてお尋ねをします。近々高規格道路の工事がいよいよ始まる機運が高まっておりますが,この大土木工事について私の疑念と地域活性化策についてお聞きします。 まず,沖縄の辺野古埋め立てに使う岩や砂利を西日本各地から集めると新聞で報じられましたが,私は高規格道路のトンネル工事で出る掘削廃土が沖縄に行くのではないか,心配をしています。また,宇土市の西部地域の有明海沿岸は,古くから干拓を続けてきた歴史があります。干拓によって,田畑や宅地が広がり続けました。現在の西部地域の陸地は,生産可能な全域に農振による土地規制がかかり,宅地として用地確保がゼロに近い状態になっております。先月,総務市民委員会の視察研修で訪問した宮城県富谷町は,宅地開発を必死に自治体を上げてやり,人口増加率日本一を創り出しました。要は,すぐ建設できる宅地の開発をやらなければ人口は増えないのが現実です。6月11日の豪雨で住吉町の住吉団地は冠水し,一時人が歩いていくしか方法がない状況になりました。水害にも高潮にも強い宅地が西部地域に必要と思います。 そこで,辺野古埋め立てに使われないことも条件としてありますが,高規格道路のトンネル工事の良質な廃土を干拓の盛り土に使い,干潟を埋めたてて高潮対策と漁業施設の移転用地の確保,さらには赤瀬漁港のように,あるいは河内の漁港のように,宅地にも使える土地を創り出すことを目指してはどうかというものです。無謀な提案には反対者の意見は当然出てきますが,その対策をどうするかはあると思いますが,国営の大事業の廃土処理に協力でき,地域も高潮に強い安心・安全な土地を確保できる,この提案を県と国に対して要望してはどうかと考えております。とんでもない考えと思われる方もおられると思いますが,トンネル工事の廃土を活用する提案をいたします。この質問に対して,高規格道路の進捗状況の報告と,まだ計画中で処理方法などは国土交通省でも考えられていないと思いつつもお尋ねをします。建設部長,よろしくお願いします。 ○議長(村田宣雄君) 建設部長,下鶴治久君。 ◎建設部長(下鶴治久君) 高規格道路の宇土道路のここ数年の経緯と進捗状況についてご説明いたします。 平成25年度に道路のルートやトンネル,橋梁部等についての説明会が関係する地区で開催され,平成26年度には全線にわたる用地測量や幅杭設置が完了をしております。その後,一部用地や補償の調査が行われ,現在一筆分の用地買収の契約が成立しているところでございます。平成27年度におきましても,引き続き用地調査が行われ,道路用地の買収が行われる予定となっております。また,平成27年度はこの他にも城塚地区及び網田地区のJRをまたぎます橋梁部の地質調査や橋梁の予備設計も行われることとなっております。 現在,このような進捗状況でありまして,国土交通省の見解としましては,「今後,道路詳細設計,トンネル及び橋梁詳細設計,工事用道路の検討を行っていくので,その段階で土捨て場所,量,時期など関係機関と協議を行っていきたい。」との回答を得ているところでございます。 以上でございます。 ○議長(村田宣雄君) 野口修一君。 ◆10番(野口修一君) 途中経過ですけれども説明頂きまして本当にありがとうございます。まだ雲をつかむような質問になりましたけれども,国土交通省の熊本事務所まで確認頂き,感謝を申し上げます。干拓地域に高潮対策は十分に取れた安心・安全な土地の確保は,江戸時代から干拓を続けてきた有明海湾岸地域の歴史からも,住民に理解を求めることは必要ですが,国・県と市で共同で進め実現できるようになれば,移転してくれる家族が出てくると思います。西部地域に新たな活性化策として5年後,あるいは10年後を目指してそんな計画が進むことを期待して,この質問を終わります。 今回の質問は,スポーツと施設環境について,図書館と歴史伝承について,活性化に公共物の活用について質問をいたしました。執行部におかれましては,簡潔明瞭で,誠意ある回答を頂きました。ぜひ検討事項も含め,積極的な政策の実行をお願いして,私の一般質問を終わります。 ○議長(村田宣雄君) 議事の都合により,暫時休憩いたします。11時15分から会議を開きます。             -------○-------                午前11時07分休憩                午前11時15分再開             -------○------- ○議長(村田宣雄君) 休憩前に引き続き,会議を開きます。 質疑並びに一般質問を続行いたします。 8番,平江光輝君。 ◆8番(平江光輝君) 皆さんこんにちは。小さいことからコツコツと,平江光輝でございます。今定例会におきましても,私の質問の時間を頂きまして,ありがたく感謝申し上げます。 今回の質問の1点目としまして,小学校の部活動が社会体育へ移行されるということでしたので,今後の子ども達のスポーツ活動について,2つ目は地方創世総合戦略の策定計画が始まっておりますので,その進め方について,以上2点について執り行いたいと思います。 なお,3日前からちょっと口内炎ができまして,ろれつが回らない場合もありますが,誠心誠意頑張りますので,執行部におかれましては真摯に御答弁頂きますよう存じます。 後は,質問席より発言いたします。 ○議長(村田宣雄君) 平江光輝君。 ◆8番(平江光輝君) 小学校の部活動の社会体育移行について,まずは小学校部活動社会体育移行について質問いたします。 本年4月,熊本県教育委員会は,熊本市を除く県内全ての小学校の運動部活動を平成30年度までに社会体育に移行することを柱とした「児童生徒の運動部活動のあり方に関する基本方針」を打ち出しました。これに伴い,本市の教育委員会としましては,2年前倒しをする28年度内に市内全校区に完全移行を目指すと聞いております。この小学校の部活動とは,ご存じの方もおられますが,九州では熊本県だけが独自に行ってきたものでありまして,全国的に見ましても青森県と愛知県の一部でしか行われていないものであります。私も今回の質問のために他県を訪れ視察してまいりましたが,小学生のスポーツ活動での他県との認識の隔たりは大変大きいものだと改めて実感してまいりました。 そのような見解から,今後部活動をもとい,小学生のスポーツ活動は従来と大きく変わることを推測し,質問をしてまいるつもりであります。 それでは,1点目の質問としまして,先ほど県教育委員会の基本方針を打ち出されております。これにのっとって,どのような経緯でこのような移行が今なされているのかをお尋ねします。 また,今回本市は2年前倒しして取組むということでしたので,現在の進捗状況をお聞きしたいということで,検討委員会,コーディネーターの配置状況,また各校の校内委員会等の状況を教育部長にお尋ねいたします。 ○議長(村田宣雄君) 教育部長,前田保幸君。 ◎教育部長(前田保幸君) 議員の質問にお答えをいたします。 これまでの宇土市教育委員会小学校運動部活動の社会体育への移行への取組み状況についてお答えをいたします。熊本県では,38年前,昭和53年から小学校運動部活動が児童のスポーツ活動を担ってきました。しかし,指導の過熱化,勝利至上主義,少子化に伴うチーム編成の困難,保護者や児童のニーズの多様化,教職員の高齢化等による指導者不足,担当教職員の負担増などの課題が発生してきました。また,平成19年に作成された熊本県の運動部活の指針に,練習日数,時間,大会の出場回数などが定められていますが,形骸化している状況にあります。 このような課題に対し,熊本県の外部有識者による「運動部活動及びスポーツ活動のあり方検討委員会」は,平成26年2月に児童にとって適切なスポーツ環境を確保するために,小学校の運動部活動を社会体育へ移行することを提言しました。これを受けて,熊本県教育委員会は平成26年3月に,「児童生徒のための運動部活動及びスポーツ活動の基本方針」を発表し,小学校の運動部活動を社会体育へ移行することとし,各市町村,教育委員会に対し,平成31年4月に社会体育への完全移行を目指す旨,要請がありました。 それを受けて,宇土市教育委員会におきましても,平成26年度中から小学校運動部活動社会体育移行に向けた検討を小学校の体育主任を中心に開始しました。各小学校のアンケート結果や学校長の意見を踏まえ,平成29年3月までに完全移行する方針案が出され,本案については5月の定例教育委員会において,宇土市運動部活動指針の改定案として上程し,承認されたところであります。6月に宇土市小学校運動部活動社会体育移行検討委員会設置要綱を制定し,これにより宇土市小学校運動部活動社会体育移行検討委員会を立ち上げました。本委員会は,年に3回程度定期的に開催を予定し,指導者,活動場所,保険等の課題解決に向け具体的に検討することにしております。 次に,宇土市小学校部活動社会体育移行検討委員会の委員構成についてですが,宇土市小学校運動部活動社会体育移行検討委員会設置要綱第3条の規定に基づき,保護者関係,学校関係者,体育協会関係者,社会体育団体関係者,スポーツ推進委員,学識経験者等による教育長及び教育委員会が必要と認める者で組織することとしており,実際の委員構成は,①市PTA連合会から会長を含む3名,②小学校校長会代表として小体連会長1名,③市体育協会会長1名,④うとスポーツクラブから1名,⑤スポーツ推進委員1名,⑥学識経験者1名,⑦教育長,⑧小学校体育主任1名の計11名で組織しております。 なお,本年度のコーディネーターにつきましては,教育委員会事務局職員がその役割を担うことにしております。 最後に,各校での移行の進捗状況についてお答えをいたします。 まず,全ての小学校において,今年度のPTA総会で学校長から社会体育移行についての説明を行いました。学校の実態によって,取組み方,スピード感には差がありますが,本市の全ての小学校において運動部活動社会体育移行に向け準備を進めております。現時点で,具体的に動き出している学校もあります。走潟小学校においては,既にバスケットボール部と野球部が社会体育に移行しております。指導者については,今年度は学校の教職員が担当し,保護者も協力して指導に当たることにしております。また,緑川小学校網津小学校では,社会体育によるバスケットボールチームを合同で立ち上げ,小規模校のチーム編成の課題を解決できたと聞いております。 このように,各小学校における取組み状況に違いはありますが,学校ごとに教職員,保護者,社会体育関係者及び地域が一体となって教育委員会で決定した平成29年4月の社会体育への完全移行に向け取組みが始まったところであります。 教育委員会としましても,スムーズな移行ができるよう,各学校の取組みを注視し,支援していくことにいたしております。 以上です。 ○議長(村田宣雄君) 平江光輝君。 ◆8番(平江光輝君) 詳しいご答弁,ありがとうございました。今回の質問について,私は4月頃から教育委員会と調整してお話をしてまいったところであります。その中で,県の基本方針は出ているが,具体的な取り決めは各々の自治体の検討委員会にて決めていくものであるということでありましたから,その検討委員会の設置がまず必要と,このように申されていたのを覚えております。しかし,現実として,今移行活動をしている小学校に行ってみれば,宇土市は2年前倒しでやるから,早く頑張ってつくろうとおっしゃっておられまして,具体的な課題は置き去りに,各校独自で前のめりに進んでいるんじゃないかと,ちょっと奇妙に感じておるところでありました。 そういったわけで,今回,県の教育委員会保健体育課に出向きまして,県の基本方針を改めて尋ねてまいりましたが,社会体育移行については,基本方針を基に地域の実態に応じた円滑な移行の推進を図る必要がある。そのため,市町村の実態に応じた取組み事例等の情報の供給や市町村への体制づくり支援を行い,県と市町村が連携した取組みを推進するということでありましたので,そうなれば県との情報のパイプ役としてコーディネーターが早急に必要になってくるわけでありまして,そのコーディネーターがうまくうちの実情とか話せるように検討委員会がまず何より先決で,重要であると認識いたしておるところでございました。ですが,今回の答弁を見ておりますと,検討委員会も,コーディネーターも立ち上がってきておりますので,とりあえずの体制は整ってきたものと感じております。今後は,具体的な運用の課題であります。時間,場所,活動費,指導者,保険などについて積極的に取組んで頂きたいと思うわけでありますが,検討委員会が開催されているということでありますので,1点目の質問としまして,そこで検討委員会でどのようなことが課題として挙げられたのかをお尋ねします。 次に,県内各市町村の教育委員会において,様々なやり方で社会体育移行,準備をしておられると聞いております。その中で,県の基本方針に総合的地域スポーツクラブの積極的な関わりを期待しているということでしたので,先進事例として挙げられました南関町にお邪魔してまいりました。この南関町では,総合的地域スポーツクラブのA-lifeなんかんさんがこの社会体育移行に積極的に関わっておられているようです。A-lifeなんかんさんは,昨年度,南関町で取組まれた文部科学省委託事業であります地域スポーツとトップスポーツの好循環化推進プロジェクトに関与して以来,NPO団体ではありますが,教育委員会と協働する団体として有効な活動をされておられるようでした。この小学校の社会体育移行にも,総合型地域スポーツクラブのA-lifeなんかんさんが保険の面や指導者派遣などの様々な課題に協力しておられるようです。 今後は,本市もうとスポーツクラブという総合型地域スポーツクラブがありますので,この起用が期待されるわけでありますが,そこで2点目の質問としまして,総合的スポーツクラブの活用について,本市はどのような見解を持っているのか。以上,併せて教育部長にお尋ねいたします。 ○議長(村田宣雄君) 教育部長,前田保幸君。 ◎教育部長(前田保幸君) 議員の質問にお答えをいたします。 第1回宇土市小学校運動部活動社会体育移行検討委員会を6月8日に開催しました。議題としましては,次の5項目です。①委員長及び職務代理の選出,②宇土市小学校運動部活動社会体育移行検討委員会設置要綱について,③熊本県小学校運動部活動社会体育移行について,宇城教育事務所指導主事の説明,④宇土市運動部活動の指針について,⑤宇土市の運動部活動の現状と社会体育移行に関する課題についてであります。委員から,具体的に課題として確認されたのは,①活動時間がこれまでの部活動の時間帯よりも遅くなること,②活動場所の確保及び施設使用料の減免措置について,③指導者の確保や謝金等資質向上のための研修の実施について,④参加する児童の保険加入,指導者の保険加入及びその内容について,⑤「うとスポーツクラブ」との連携について,⑥社会体育移行を推進するコーディネーターについて等でございます。宇土市には,総合型地域スポーツクラブとして「うとスポーツクラブ」があります。学校の体育施設や公共のスポーツ施設を拠点として活動されています。複数の種目が用意され,子どもから高齢者までそれぞれの技術に応じたスポーツ活動が展開されています。今年度,新しく設置しました宇土市小学校運動部活動社会体育移行検討委員として,このうとスポーツクラブの理事長が出席をして頂いています。よって,特に移行に向け指導者の確保や謝金等資質向上のための研修の実施や参加する児童の保険加入,指導者の保険加入及びその内容等の課題につきましては,これまで蓄積された専門的な技術,手法,情報,経験が生かされるものと考えます。 以上です。 ○議長(村田宣雄君) 平江光輝君。 ◆8番(平江光輝君) ご答弁ありがとうございます。今後,検討委員会におかれましても,ぜひとも積極的な議論のもと,協議を進めていって頂きたい,このように思うわけでありますが,そこで議員として地域の思いも含めて少し提言させて頂きたいと思います。 まず1点目,地域格差についてですね,今回,社会体育移行に関係なく,小規模校でのクラブの統合が行われているみたいです。一つ目の質問で,小規模校のチーム編成の課題を解決できたと聞いているということでしたが,実際には今の現役の部員数で各々のチームは成立できたものだと聞いておりますので,安易に合同チームを編成することはいかがなものかと。例えば,小学校では子ども達の校区外の影響が今後閉鎖的な地域をつくる恐れがあると。特に小学校から特出した技術を取るためにクラブチームに入らせるということであれば,もう個人的な問題でありますのでこれ以上申し上げませんが,できればその地域の子はその地域で育つ環境をつくっていくためにも,検討委員会では児童の越境やチームの統合については一概のガイドラインをちょっと作成して頂きたいなというふうに思います。2点目が保険についてなんですけど,今後部活動という学校教育の中での活動から社会体育に移行するわけでありますから,今まで適用しておりましたPTA共済とか,日本スポーツ振興センター災害共済などが,これは適用しなくなる場合もあります。また,指導者等の保険も検討すればですね,今後スポーツ安全保険など多く利用することになります。しかし,今の現状でそういった場合に団体を個々にしてあると,その都度保険料を支払わなければならないということでありますので,検討委員会だけじゃないんですけれども,広く全体にスポーツ安全保険を一括して取りまとめる体制をつくる必要があるのではないかなというふうに思っておりますので,以上2点をちょっと提言させて頂きたいというふうに思っております。 さて,今回の質問の機会を与えてもらいまして,改めて今私が感じておるところでありますが,今回の部活動の社会体育移行というものは,これまでやってきた部活動というスポーツ活動のあり方を抜本的にやり変える大改革の事業であるのではと,そのように認識いたしておるところです。それならば,他県で一般的に普及しているスポーツ少年団とはどのようなものなのか。それを視察するべく,鹿児島市の教育委員会にもお邪魔してまいりました。鹿児島市のスポーツ少年団とは,市内全体の320の団体組織で行われているものでありまして,団員数は6,098人,このうちには中学生も入っているということなんですけど,市内の小学生が3万2,534人と比較すれば,約17%が所属しておられます。もちろん,これは全学年の合わせての比較でありますので,4,5,6年生が少年団の全体の7割弱を担っていることと,合わせて鹿児島市という都心であることから,多くのクラブチームが存在し,それに所属している子ども達が多いこと,この点を図れば,おおよそ半分近い子ども達が利用していることになるのじゃないかと見ております。そして,そこでは後援会である母集団と指導者として認定された方が中心となって基本理念にのっとった望ましい団体活動の展開として,趣旨に基づいた調和の取れた活動の推進,過度の練習の自粛などをスポーツ少年団の指導者協議会で協議をして進められておられます。私はこの熊本県全体において,将来はこの鹿児島市スポーツ少年団のような組織がいくつもできてくるんじゃないかと見ております。もちろん,中学校,高校で進学してから先にある部活動を目指す方々は,それなりのクラブチームに入り,専門的な練習を行う子ども達もいるわけでありますが、スポーツ少年団というのは,もう一般的に今後重要なポストになるんじゃないかと認識しております。この点について,スポーツ少年団に今市はどのような認識をもっておられるのか,本市の社会体育移行にどう利用できるのか,このことについて教育部長のご見解をお聞かせください。 ○議長(村田宣雄君) 教育部長,前田保幸君。 ◎教育部長(前田保幸君) 議員の質問にお答えをいたします。 日本スポーツ少年団は,昭和37年6月23日,日本体育協会創立50周年の記念事業として創設されました。その願いは「1人でも多くの青少年にスポーツの喜びを」,「スポーツを通じて青少年の心と体を育てる組織を地域社会の中に」というものです。創設当時は22団,753人の小さな団体でしたが,スポーツによる青少年の健全育成の目的に向けた動きと東京オリンピックを2年後に控えた国民のスポーツへの関心と相まって急激に増加してきました。特色としては,子ども達が学校時間や家庭時間を除く自由時間に行い,活動拠点は学校内ではなく地域社会の中にあり,幅広いスポーツ活動をグループ活動で行っている集団です。社会体育の受け皿の一つとして,全国的に活躍しています。平成26年度の全国47都道府県の登録団体数は3万4,036団体,団員数74万1,797人で,熊本県は189団体,登録人員2,919人です。学校部活動がある熊本県は全国47都道府県中45番目となっております。登録の種目を見ますと,全国県共に軟式野球の団体数が多く,県内で見てみましても189登録団体数のうち45.5%を占め,次にバレーボールの17.5%です。宇土市でのスポーツ少年団の登録は,バレーボールの1団体のみ行われております。これから,学校部活動に代わるスポーツ少年団の他県での状況を調査し,宇土市の社会体育の受け皿として取り入れることが可能か,検討してまいります。 以上です。 ○議長(村田宣雄君) 平江光輝君。 ◆8番(平江光輝君) ご答弁,ありがとうございました。まだこの熊本県ではあまりなじみの少ないこのスポーツ少年団について,しかし,県外では意外にも一般的に子ども達のスポーツ活動の中心になっております。そのぐらい,今回の社会体育移行化には,子ども達のスポーツ環境が変わっていくことを視察や調査してまいり,感じてまいりました。 そのようなわけで,最後に2点,教育長に質問してまいります。 1点目は,先ほどの教育部長答弁の中で,各学校の移行中の実態の説明がありましたが,小学校部活動社会体育移行後の学校の教師の児童への対応はどうしていくのか。 2点目は,今後社会体育移行後,特に中学校に進学してからの部活動は大変ハードなものであります。それに対応していけるだけの基礎的な体力と気力を今後どのようにしていくのか,2点について,教育長にお尋ねいたします。 ○議長(村田宣雄君) 教育長,浦川司君。 ◎教育長(浦川司君) お答えします。 部活動が社会体育に移行された場合は,学校,教師に放課後の有効活用の機会が生まれやすい環境ができることになります。そこで,運動会,水泳大会,持久走大会,縄跳び大会と,体育的な行事に向けて体力や技術の向上を目指した学校を挙げての活動が可能になります。このことにより,いろいろな運動をこれまで以上にできやすい状況ができるとも言えます。多様な協議をすれば,体が様々な動きを覚え,しっかりとした体づくりにつながります。そのため,学校,教師には,これまで以上に基礎的な体力づくりのための工夫が求められることになります。また,体力づくりだけでなく,児童会や委員会活動,個別指導,相談活動等,一人ひとりの子どもと向き合う時間の確保ができ,それらの活動を通して児童同士や児童と教職員との絆を深めることができると考えます。部活動が社会体育に移行された場合は,校区においてもスポーツ活動が展開されることになります。児童の減少によってチームが組めずにできない競技が生じるかもしれませんが,少人数でもできる多くの競技がたくさんありますので,年間を通し計画的に複数の種目を実施すれば,校区による格差を防ぐことができると考えます。 また,社会体育に移行しても,教職員の中には勤務終了後,地域の一員として自分の特技を生かして指導に参加される場合もあります。小学校においては,先ほど述べましたとおり,しっかりとした体づくりにつながるように,多様な競技を経験させ,体に様々な動きを覚えるようにすることが望ましいとされています。児童が夢中になって活動する中で,運動の喜びや楽しさを味わうとともに,体力の向上や健康の増進にも効果的な活動になるようにしていくことが重要と言われています。 このような小学校のスポーツ体験が中学校や高等学校での,より専門的な競技における技術の向上や体力の向上につながっていくと考えられます。 以上です。 ○議長(村田宣雄君) 平江光輝君。 ◆8番(平江光輝君) ご答弁ありがとうございました。一般質問の初日目に1番目と2番目で同じような質問をしています。それぐらい,今,地域の保護者の皆様,この件について大変興味があると思っておりますので,ぜひ今後とも,このうまいこと進めますごつ,よろしくお願いします。 それでは,次の質問のまち・ひと・しごと創生の総合戦略の進め方について質問いたします。昨年来,議会でもたびたびこの地方創生総合戦略についての会議が行われております。執行部からの説明や自由民主党の松村祥史国会議員の先生からも講演を受けた勉強会など,議会も積極的に関与してまいりました。平成7年1月に内閣府が出された地方版総合戦略の策定のための手引きより,地方議会との関係としてこう書かれております。地方版総合戦略については,議会と執行部は車の両輪になって推進することが重要であるから,各地方公共団体の議会においても,地方総合戦略の策定段階や効果検証の段階において十分な審議が行われるようにすることが重要。そうであるならば,さらにもう一歩足を踏み込んだ議会内でも論議する必要があると思うわけであります。 そこで,まず現状認識として,まち・ひと・しごと創生に関する現状の進捗状況と今後の動向について,企画部長にお尋ねします。 ○議長(村田宣雄君) 企画部長,荒木繁男君。 ◎企画部長(荒木繁男君) まち・ひと・しごと創生に関する具体的な進捗状況と今後の動向についてお答えをいたします。 まち・ひと・しごと創生の取組みについては,国が昨年9月に「まち・ひと・しごと創生本部」を設置したことから,本市においても昨年10月から部長以上で組織します庁議において対策検討を重ねてまいりました。まち・ひと・しごと創生の取組みが全国的に本格化した本年3月からは,地域住民生活等緊急支援のための交付金事業の準備に取組んでいるところであります。この交付金事業には,消費喚起生活支援型と,地方創生先行型の2種類があります。消費喚起生活支援型は,国からの交付金6,941万6千円を活用し,プレミアム付き商品券を7月1日から販売等を行い,地域における消費喚起や,これに直接効果を有する生活支援を行ってまいります。 この商品券の購入方法としましては,宇土市内全世帯に購入引換券を郵送しており,7月1日から12日まで市役所,網津支所,網田支所で販売をいたします。一般世帯では1万円で1万3千円分の商品券が購入できます。また,未就学児がいる世帯については8千円で1万3千円分の商品券が購入できます。他の自治体では1世帯で数冊まで購入可能であるとか,先着順という販売方法を導入しているところもありますけれども,宇土市の場合は1世帯に1冊まで購入可能という販売方法で,広く市民の方に行き渡るような方法を採っております。 次に,地方創生先行型については,国からの交付金4,469万9千円を活用しまして,宇土市の人口動向や産業実態などを踏まえ,今年10月31日までに平成27年度から31年度までの5カ年の政策目標・施策を盛り込む「宇土市版まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定や地方創生につながる各種先行型事業を展開していきたいと考えております。 総合戦略の策定・推進にあたっては,住民,地域団体や民間事業者などの参加・協力が重要であることから,多くの方々の意見を聞く場となる宇土市まち・ひと・しごと創生総合戦略審議会の設置条例案を本議会に上程しています。この審議会は,住民をはじめ産業界,行政機関,教育機関,金融機関,労働団体,メディアなど,いわゆる産官学金労言で構成する組織において,その方向性や具体案について審議検討するなど,広く関係者の意見を取りまとめて,宇土市独自の充実した宇土市版総合戦略を策定したいと考えています。 以上です。 ○議長(村田宣雄君) 平江光輝君。 ◆8番(平江光輝君) ご答弁ありがとうございました。今回,議員の役割として少し確認させて頂きたいと思っているわけですが,消費喚起,生活支援として,多くの自治体が取り入れられているプレミアム商品券については,ただのばらまきにならないように配慮しなければならない。特に市民全体に平等に行き渡るようにしなければなりません。そのための周知対策を図ること,この件について,今,答弁にありますように,本市では基本1世帯につき1冊しか買えないというふうな形にしてありますので,このことで平等性は図られておりますが,逆に周知が足りなければ商品券が大量に余るかもしれません。6月のうと広報にも記載されておりましたが,なお一層の周知に取組んで頂きたいと思います。 そして,もう一方の地方版総合戦略の策定の進め方について質問したいと思います。全国において,この地方版総合戦略策定分の相当分として,1都道府県には2,000万円,1市町村には1,000万円と交付されております。本市の予算でも策定費として1,000万円が計上されております。今現在,全国の自治体をおおよそどこでもこの地方創生の策定計画にあたっているところでありますが,この場合,コンサルタント会社に外部委託させて策定の手伝いをさせている,いわゆる丸投げをする自治体も出てきている,このような情報も聞いております。 そのようなわけでありまして,このような事例が頻繁に出てきている現状は,このコンサルタント業界は大変バブル状態に陥っているということです。そして,悪質なコンサルタントも出てきておりまして,その場合のケースとして顧客である自治体の総合計画を調べた上で,その計画の焼き直しをつくり,もうできもしない策定をつくってですね,作成料だけ頂くと,多額なコンサルタント料金を自治体に支払わせているという話も聞いております。コンサルタントの選定もプロポーザル方式であればなおのこと,文章力,説得力の強い業者が選定されているようですが,設定はあくまでも現実にできるかどうかが重要であるわけであります。本市では,先に述べたようなことがないと思いますが,確認としてお聞きいたします。本市での総合戦略の作成はどのような作成を進ませているのか,企画部長にお尋ねいたします。 ○議長(村田宣雄君) 企画部長,荒木繁男君。 ◎企画部長(荒木繁男君) 地方版総合戦略作成の詳細についてお答えをいたします。 地方版総合戦略の策定については,まち・ひと・しごと創生法に基づき,国及び熊本県が策定します,まち・ひと・しごと創生総合戦略を勘案しながら,本市の実情を踏まえ,人口,経済,地域社会の課題に一体的に取組む内容にしなければなりません。宇土市版総合戦略については,2060年度までの人口動向予測や産業実態などを分析した人口ビジョンを踏まえて策定いたしますが,この人口ビジョンの策定につきましては,地方創生先行型の交付金を活用し,コンサルタント会社に委託を行っております。委託内容は,本市の人口動向や将来人口などの分析の他,市民の結婚,出産,子育てに関する意識調査,移住希望調査,高校卒業後の将来動向調査,企業の雇用動向調査などを行い,本市が今後必要になってくるデータを収集し,調査研究してもらうもので,それを踏まえまして宇土市独自の総合戦略を作成していきます。総合戦略の内容につきましては,昨年度の宇土市総合計画後期基本計画策定の際,各地域でまちづくり座談会を開催し,多くの市民の皆さんから地域社会の課題,問題点を頂いていますので,今回策定する宇土市版総合戦略の内容に組み込んでいきたいと考えています。 今回のまち・ひと・しごと創生の取組みは,地方創生をめぐる自治体間の競争と言われております。その中心となるのが宇土市まち・ひと・しごと創生総合戦略になりますので,宇土市独自の内容をアピールしていきたいと考えています。 先に述べましたが,本議会に設置条例案を上程しています宇土市まち・ひと・しごと創生総合戦略審議会においても協議を重ね,総合戦略を作成していきますが,市の方針としましては,重点検討項目を次の6項目としております。①地域資源を生かした産業の振興,②企業・産業の連携による就業機会の拡大,③幅広い世代の定住・移住の促進,④若い世代が望む子ども・子育て包括支援体制の構築,⑤既存ストックのマネジメント強化,具体的な例を申し上げますと,空家バンク事業の創設,住宅リフォーム事業の充実などが挙げられます。最後に,⑥広域連携の推進の6項目であります。この他,これまで宇土市で策定している教育・子育て・定住促進などの各種計画との整合性を図りながら,他の市町村にない宇土市独自の総合戦略を議会の皆様の協力のもと策定するよう努めてまいります。 以上です。 ○議長(村田宣雄君) 平江光輝君。 ◆8番(平江光輝君) ご答弁ありがとうございました。今回の質問は,他の自治体のコンサルタント起用について,このような事例が起きていると,宇土市は大丈夫なのかと私に尋ねられましたので,思いっきり企画課に飛び込んでお尋ねしてまいりますと。うちはそういったケースにならないよう全力で取組むという姿勢が伺われました。その上で,今後は宇土市まち・ひと・しごと創生総合戦略審議会の発足を計画しているということでした。本市は,5年前と昨年とまちづくり座談会を開催し,市民の多くの声を拾い集め,第5次宇土市総合計画を策定してきました。そのベースにのっとり,もちろん一番重要な宇土市民をはじめ,産官学金労言等の関係者の意見を反映して戦略案をつくるということで,今のところは大変いいスタートが切れているのではないかと安心しました。その上で,現実との総合性も含め,事業した成果を確実に上げなければなりません。そういったわけでありますから,議会も今一歩足を踏み入れて,何か力になれることはあるのではないか,このように今感じております。そこで,今回,企画課に総合戦略と議会の関係について,他の自治体の動向調査を依頼しました。この中では,おおむね議会との関わりとしては,協議会での報告,進捗状況の説明のみで留めているということが多いようでしたが,全国的に見ますと多くの地方議会では,昨年の12月と今年3月の議会で地方創生総合戦略特別委員会の発足を決議され,策定においても報告承認だけに留めず積極的に関与されているところも少なくないようでした。そして,この場合は多くの議会では本年の10月の戦略決定をもって委員会を開催されるというようですが,次の段階。 ○議長(村田宣雄君) 平江議員,それは議会のことですか。 ◆8番(平江光輝君) そうです。 ○議長(村田宣雄君) 議会内のことですから,全協とか何かで発言をしてください。 ◆8番(平江光輝君) はい。次の段階のKPI評価を含めた特別委員会を目指すよう,議会に要望いたしまして,私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(村田宣雄君) ただいまから,昼食のため暫時休憩をいたします。午後1時から会議を開きます。             -------○-------                午後0時00分休憩                午後1時00分再開             -------○------- ○議長(村田宣雄君) では,午前中に引き続き,会議を開きます。 質疑並びに一般質問を続行いたします。 5番,宮原雄一君。 ◆5番(宮原雄一君) こんにちは。一期生の宮原雄一でございます。第2回定例会に質問の機会を頂き,感謝申し上げます。 今回は,消防水利についての質問であります。初めての質問であります。わかりにくい点があるかと思いますが,よろしくお願いいたします。 後は,質問席から質問させて頂きます。 ○議長(村田宣雄君) 宮原雄一君。 ◆5番(宮原雄一君) まずはじめに,消防水利の設置状況についてですが,市町村の消防に必要な水利について定めたものとして,昭和39年消防庁告示第7号の消防水利の基準がある。その第2条に,消防水利が例示されています。1消火栓,2私設消火栓,3防火水槽,4プール,5河川,溝等,6濠,池等,7海,湖,8井戸,9下水道の九つであります。また,それらの給水能力として,第3条では常時貯水量が40立方メートル以上,ちなみに40トン以上のことであります。また,取水可能水量毎分1立方メートル以上,ちなみに1トン以上であります。かつ連続40分以上となっています。そのうち,消火栓は直径150ミリ以上の管に取り付けられていなければならないことになっています。ただし直径150ミリ以上の管から支線において180メートル以下に消火栓が取り付けられている場合,その支線の管の口径は75ミリでもよいことになっています。そこで,本市が整備を進める消防水利のうち防火水槽と消火栓について,消防水利の基準に合うものの設置状況について,総務部長にお尋ねします。 ○議長(村田宣雄君) 総務部長,益田輝明君。 ◎総務部長(益田輝明君) 消防水利の基準と宇土市における消火栓と防火水槽の設置水についてご質問でございますのでお答えをいたします。 消防水利の基準としましては,消防法第20条第1項の規定に基づき,消防庁が勧告すると定められております。消防法に基づく消防水利の基準第3条において,消防水利とは常時貯水量が40立方メートル以上又は取水可能水量が毎分1立方メートル以上で,かつ連続40分以上の給水能力を有するものでなければならないと規定をされております。消火栓につきましては,消防ホースを連結する連結器具が65ミリメートルの口径を有するもので,直径150ミリメートル以上の管に取り付けられていなければならないとされています。 次に,本市における消火栓と防火水槽の設置状況についてお答えを申し上げます。 消火栓につきましては,公設189カ所,私設11カ所の,合計200カ所に設置されております。防火水槽につきましては,100立方メートル以上が4カ所,60立方メートル以上100立方メートル未満が4カ所,40立方メートル以上60立方メートル未満が185カ所,そのほかに基準外にはなりますが20立方メートル以上40立方メートル未満が21カ所,合計で214カ所に設置されている状況です。 また,それ以外にも市内10校の小中学校,市民プール及び市スポーツセンターのプールも,年間を通じまして消防水利として利用できるよう水を貯留している状況でございます。 以上です。 ○議長(村田宣雄君) 宮原雄一君。 ◆5番(宮原雄一君) ご答弁ありがとうございます。答弁の中で,消火栓につきましては公設189カ所,私設11カ所の合計200カ所に設置されているということですが,そのことについて次の質問に入ります。消防水利のうち防火水槽は他の利用者に影響を及ぼすものではありませんが,消火栓は水道施設に設置されているため,消火活動に使用した場合,一般家庭に影響を与えることになると思われます。もちろん,設置されている位置や配管の大きさ,消火活動に使用する時間や火災の発生した時間帯などにより影響は異なると思われます。 そこで,建設部長にお尋ねします。消火栓をどの程度使用した場合,一般家庭に影響を及ぼすことになるのか,ご説明をお願いいたします。 ○議長(村田宣雄君) 建設部長,下鶴治久君。 ◎建設部長(下鶴治久君) お答えいたします。 消火栓は,防火水槽やため池・河川などと同様に消防隊が消火のために使用する消防水利の1つであります。水道施設としての消火栓の設置については,消防法第20条及び水道法第24条に規定されておりますとおり,その水道を管轄する水道管理者が設置し,維持管理を行っているところでございます。消火活動に必要となる消防水利の数は,通常火災で2から5であり,同時使用可能な消火栓の数は5以上とするよう求められております。しかし,同時使用し得る消火栓の数は水道の給水区域の規模や消火栓が設置された配水管の口径によりかなりの差があり,消火栓だけでは十分な消防水利を充足できない地域があるのが実情でございます。現在,設置されております消防水利の基準を満たす消火栓で,大量の水を使用した場合,消火栓近隣の水圧低下は予測されますが,接続されております水道管の口径が大きいことから,濁り等の影響は少ないものと思われます。ただ,消防水利の基準を満たさない消火栓,水道管の口径が75ミリ以下の水道管に接続された消火栓でございますけれども,その消火栓で大量の水を使用した場合,接続されている水道管の口径が小さいことから,集中的に水を抜くことにより,消火栓近隣やその下流部においては水が出ない場合や流速が変わったことにより濁りが発生する場合があります。しかしながら,水道利用者の方には市民の生命と財産を守るための消火活動による影響としてご理解とご協力を頂いているところでございます。 以上でございます。 ○議長(村田宣雄君) 宮原雄一君。 ◆5番(宮原雄一君) ご答弁ありがとうございます。答弁の中で,水道利用者の方には,市民の生命と財産を守るための消火活動による影響としてご理解とご協力を頂いていることに感謝したいと思います。しかし,消火栓だけでは十分な消防水利を充足できない地域があるのが実情であることを踏まえながら,次の質問に入らせて頂きます。 消防団や消防署の消火活動では,まず消火栓や防火水槽を使用しますが,それでも水利が足らない場合,その他の消防水利を利用することになります。私が冒頭で説明した消防水利の基準では,消防水利の例として消火栓,防火水槽の他に,プール,河川などがあります。場合によっては,農業用水を利用することもあります。実際,昨年,7月30日,宇城市小川町の3号線沿いの製材所から出火した火災では,18カ所の農業用水を利用したと聞いております。本市でも過去の建物火災やその他の山林火災,枯れ草火災などで農業用水路,ため池,果樹園に設置されている水槽,農家個人で所有されている地下水ポンプアップの水など,幾度も利用させてもらったことがあります。今後も消火活動において農業用水を使用することも想定されますが,地区によっては農業土地改良組合の組織や農業用水の利用期間が違っています。また,農業用水は渇水時期があります。年間を通じて消防水利の確保については十分検討しなければならないと考えています。 そこで,経済部長にお尋ねします。本市における地区ごとの農業用水の利用状況についてと,渇水期における消防水利の利用状況も併せて説明をお願いいたします。 ○議長(村田宣雄君) 経済部長,田川修一君。 ◎経済部長(田川修一君) 本市各地域の圃場に供給されます農業用水の取水及び利用状況をお答えします。 本市内の農業用水の取水先は,宇土八水の一級河川,緑川や浜戸川から取水し,幹線用水路や揚水ポンプ場を介しまして地域の用水路を通じ,各圃場へ供給されるものと,各地域で河川や水路をせき止めて取水する,そのほか花園池や網津の七曲池等のため池から取水するもの,さらに水利組合や個人で地下水をポンプアップして取水するもの,様々となっております。 このように,農業用水の取水先及び取水方法は,地域の農業水利施設の整備状況や地形,観光等により,農業用水の自然的流下供給や機械的施設での供給が行われております。議員ご承知のように,農業用水供給期間は地域で若干の差異もございますが,6月中旬から9月いっぱいの期間となっております。 次に,地区ごとの取水状況や利用状況を土地改良区や地域別に申し上げます。宇土八水の受益地である宇土,花園,轟,緑川,網津地区は,熊本市南区富合町の一級河川,緑川左岸にあります丹生宮堰及び杉島堰から取水し,熊本市側は幹線用水路を自然流下させ,本市内3カ所の用水ポンプ場でポンプアップしながら各地域の圃場へ供給されております。これと別ルートになりますが,走潟地区と宇土地区の一部は,一級河川浜戸川の硴江堰から取水し,自然流下で地区内の圃場へと供給されております。 次に,各地区ごとの取水状況を申し上げます。宇土地区におきましては,宇土八水の受益地がほとんどとなっております。一部におきましては,船場川を堰上げて取水する地域や水路から直接ポンプアップして用水を利用されている地域があります。花園地区におきましては,宇土八水の受益地以外の圃場は,花園池等のため池から供給される地域,潤川を堰上げて取水する地域,地下水をポンプアップして利用されている地域や住宅があります。轟地区も宇土八水の受益地,これは椿原の一部や神合の一部になりますが,ため池からの取水や河川を堰上げて取水されております。緑川地区も,宇土八水の受益地がほとんどとなっておりますが,一部において地下水をポンプアップし,パイプライン等で圃場へ供給されております。地域によりますが,水路を堰上げて宇土八水の供給する用水不足を補うため,ポンプアップされている地域もあります。網津地区におきましては,宇土八水の受益地七曲池の受益地,さらには網津川を堰上げして取水する地域,地下水をポンプアップしてパイプラインで用水を供給される地域等々,様々でございます。網田地区におきましては,網田川や小松川を堰上げての取水やため池や地下水をポンプアップして用水路へ供給する方法,渓流からの取水等,主に河川水を利用されております。走潟地区におきましては,先ほどお答えしましたように,一級河川浜戸川からの取水をされております。 このように,農業用水は水利施設の整備状況や地形によって様々な方法で利用されておりますが,利用時期は水稲生育期間のみであることは議員ご承知のとおりであります。 最後に,把握している範囲で農業用水以外の利用状況をお答えいたします。一部の地域におきまして,集落の合意で防火用水に利用するため排水路を堰上げて貯留されているところがあります。通常,渇水期には河川,水路は水位が低下し,消防水利に利用することは困難なところでございますが,万が一のため走潟地区と花園地区,緑川地区の一部で堰を活用し水路に水を貯留することで,消火栓や防火水槽以外に消防水利に確保されているところがございます。 以上でございます。 ○議長(村田宣雄君) 宮原雄一君。 ◆5番(宮原雄一君) ご答弁ありがとうございます。各地区の農業用水の利用状況,よくわかりました。渇水期の農業用水等の利用も一部は利用できるようですが,冬場の渇水時期,最も火災の発生の可能性が高い時期であります。そのことを踏まえ,最後の質問に入らせて頂きます。 本市において,火災の延焼による大規模火災は,昭和3年6月19日に長浜で起きた住宅32戸,納屋等31棟の火災,昭和44年11月10日に戸口町で起きた全焼27棟,半焼3棟の火災が発生しております。一方,隣の宇城市では先ほど申し上げた昨年7月30日の小川町3号線沿いの製材所から出火した火災で全焼13棟,半焼2棟,部分焼3棟など,建物20棟と水田2枚を焼失した近年まれに見る大火災となりました。この宇城市小川町の火災で使用した消防水利は,消火栓4カ所,防火水槽3カ所,農業用水等の自然水利11カ所の計18カ所の水利を確保,消防署の自動車ポンプ9台,消防団の小型ポンプ46台で,鎮火まで消防署員106名,消防団員773名,市職員16名による懸命な消火活動で使用した総水量が4千トン近くと聞いています。これは,40トン防火水槽100個分に当たります。大規模な火災がいつどこで発生するかわかりませんが,非常時に備えて準備することはとても重要なことと考えています。消防団は,消火活動のとき,近くに消防水利があるとは限らないので,遠くから水利を使用するのを想定した中継訓練を行っておられると思います。本市の消防団は,消防水利の確保については十分確認を取っておられると思いますが,農業用水の渇水期や消火栓,防火水槽では賄えきれないとき,遠くの消防水利から水を確保しなければなりません。大規模な火災になればなるほど,大量の水が必要となってきます。 最後に,総務部長にお尋ねします。大規模火災の消防水利の確保についてどのように考えておられるか,説明をお願いいたします。 ○議長(村田宣雄君) 総務部長,益田輝明君。 ◎総務部長(益田輝明君) 大規模災害発生時における消防水利の確保についてのご質問にお答えいたします。 地震などによる大規模災害が発生した場合や住宅密集地での火災などにおいては,その影響が広範囲に及ぶことが予想されています。そのための消火用の消防水利としまして,市内各所に設置整備しております消火栓及び防火水槽が重要な役割を担ってまいります。現在,消火栓につきましては,地震により断水することがないよう耐震性のある給水管の整備を行っており,防火水槽につきましても耐震性のあるものを整備しているところでございます。 さらに,本市では開発に伴う消防水利の需要の高まりに対応するため,3千平方メートル以上の開発行為では,宇土市人為による災害防止に関する条例に基づき,消防水利の確保を義務づけております。また,1千平方メートル以上の開発におきましても,事前協議で開発業者へ消防水利の設置のお願いを行っているところでございます。 今後も,消防法の基準を満たす消火栓の設置や地元からの要望などに基づき,整備基準を満たすことができる地区に対し,順次耐震性防火水槽の設置を行い,消防水利を確保することができるよう整備をしてまいります。 なお,その他の消防用の水利としまして,市内の小中学校等のプールや河川及び市内各地に点在しております農業用のため池を利用することにより,迅速な消火活動を行うことができると考えております。 また,本年の8月には初めての取組みとなりますが,宇土市,宇城市,美里町の各消防団と宇城広域連合消防本部との合同によります林野火災などの広域かつ大規模な火災を想定した連携訓練を実施するなど,災害に対する体制整備の構築を図ってまいります。 以上です。 ○議長(村田宣雄君) 宮原雄一君。 ◆5番(宮原雄一君) ご答弁,ありがとうございます。市内各所に消防水利の設置・設備が進められていることが伺われますが,消火栓の未整備地区又はへき地の集落など,まだまだ消防水利不足が心配されます。土地の確保に大変難しい点もあるかと思いますが,防火水槽及び消火栓の整備を進めて頂きたいと思います。 また,渇水時期の大規模火災や林野火災などで,まだまだ消防水利不足が心配されます。その場合は,遠くから河川やため池などから数十台の小型ポンプの中継による水利の確保が取られると思います。そのため,日頃から宇土市消防団においては中継訓練をされていると思います。また,今年の8月,宇土市,宇城市,美里町の各消防団と宇城広域連合消防本部との合同による林野火災など,広域かつ大規模な火災を想定した連携訓練を実施される計画があるということで,大変いいことだと思っております。今後の活躍を期待したいと思います。 以上をもちまして,質問を終わらせて頂きます。ありがとうございました。 ○議長(村田宣雄君) 3番,田尻正三君。 ◆3番(田尻正三君) 会派宇土、みらいの田尻です。本日は質問の機会を頂きまして,本当にありがとうございます。本日は,空家等対策の推進に関する特別措置法についてと,Wi-Fiの普及と活用についてを質問します。執行部には,明瞭な答弁をお願いいたします。 以後は,質問席にて発言します。 ○議長(村田宣雄君) 田尻正三君。 ◆3番(田尻正三君) それでは,空家等対策の推進に関する特別措置法について質問いたします。 去る5月26日に空家対策の推進に関する特別措置法が全面施行されました。この措置法は,大きく分けて撤去と活用,この二つがあると思いますが,今回私はこの撤去についての質問をいたします。 宇土市におきましても,大変な数の空家が存在するものと思います。その中でも特定空家と言われる倒壊や衛生上著しく有害となる恐れのある空家に早急に対応する必要があると思います。本市における倒壊の恐れのある廃屋として記憶に新しいものとして,城之浦町の県道沿いにある,ビニールシートにくるまれた倒れかけた家屋がありましたが,これは執行部の努力で撤去されました。また,現状,危険な状況に直面しているのが国道57号線沿いの本市の築篭町にあるJA宇土支所隣にある廃屋です。これが国道57号線を通る車に倒れかかったりして,交通事故でも引き起こしたらと思いますと,本当にぞっとする次第であります。 また,この市街地にもたくさんの空家がありまして,市街地の空家というのはほとんど家が隣接する,又は密着しているような空家があります。こういうところに不審者が入り込み火災でも引き起こしたらと思いますと,大変心配になるところです。私自身,住民の方々から何とかして欲しいと申し受けをすることが都度都度あります。 今回の特措法は,自治体の権限を法的に位置づけ空家対策の推進を図るものであると思いますが,実際に空家対策の事業を進めるためには予算の確保や市の体制づくり,今回の特措法に基づいた空家の調査や,国や県の支援策の吟味も必要で,事業実施までにはそれなりの時間がかかるものと思います。また,実施したとして,空家の所有者の調査特定,また,指導や適切な管理の勧告や命令という手順や,命令に従わない場合の罰則等の措置や固定資産税の優遇の措置の停止,それでも従わない場合は行政代執行による取り壊し,解体費用の請求など,いろいろと相当な時間が必要と思われます。しかしながら,市民の側からいたしますと,相当に困っている方々がいらっしゃいますので,スピーディーな対応をお願いするところです。 さて,今回の特措法では,空家の持ち主に対し罰則等の不利益処分ばかりです。そこで,空家の持ち主が自ずからアクションを起こすような宇土市独自の制度,例えば現在施行されております住宅リフォーム制度をもう少し拡充して,空家の修繕だけでなく,敷地の掃除や管理にも利用できるようにするとか,家屋の解体補助制度等の施策も必要ではないかというふうに思います。 そこで,建設部長にお尋ねします。現在の空家の把握状況と今回の措置法に対する宇土市の体制や方策をどのようにお考えでしょうか。よろしくお願いします。 ○議長(村田宣雄君) 建設部長,下鶴治久君。 ◎建設部長(下鶴治久君) お答えいたします。 まず,本市の空家の状況について,平成26年度に企画課で行った空家の実態調査の結果を基にご説明させて頂きます。なお,この調査では別荘や,たまに寝泊まりをするための住宅,賃貸,売却用の住宅は含まれておりません。本市の住宅の総数は1万623戸あり,このうち空家は485戸で,住宅総数に対する割合は4.57%となっております。この空家の状況としましては,調査委員の目視による判断になりますが,居住可能が110戸,一部改修により居住可能が202戸,居住困難が113戸,危険家屋が53戸,未確認が7戸となっております。 次に,空家対策に関する市の体制についてでございますが,現在空家に対する市民からの相談については,空家の所有者に口頭でお願いする形ではありますが,倒壊等の恐れがある危険な空家については都市整備課で,敷地の草木が生い茂るなど周辺の生活環境に影響があるものについては環境交通課で対応してきているところです。 また,空家の有効活用策として,平成27年度,今年度からございますが,まちづくり推進課において空家バンク事業に取組んでいるところであり,今後も空家対策についての体制としては,この3課で連携しながら対応していくことになると考えております。 今後の空家対策に対する市の方策ですが,今回施行されました空家等対策の促進に関する特別措置法では,空家の管理の責任は第一義的には空家の所有者でございますが,所有者が何らかの事情で管理責任を全うしない,又はできない場合,市町村が周辺の生活環境に悪影響を及ぼす空家については,所要の措置を講じることができることや,市町村が地域の実情に応じた空家の有効活用を図ることができるとされておりまして,国においては空家対策に対する支援制度が設けられることとなっております。 今後は,法律に基づいた空家対策を行っていくことになりますが,先週6月16日でございますが,国の担当者から特別措置法に関する説明会があったところであり,市としましても関係各課が連携を取りながら空家の対策に必要な制度,体制を速やかに整え,空家対策を実施していきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(村田宣雄君) 田尻正三君。 ◆3番(田尻正三君) ありがとうございました。今まさに危険に直面している物件もございますので,本市におかれましてはスピード感を持って対応して頂きたいと思います。これにて,空家対策等推進に関する特別措置法についての質問を終わります。 続きまして,Wi-Fiの普及と活用についてご質問いたします。最近はよくこのWi-Fiという言葉を耳にします。これからのネット環境の整備という中で必要となるのがこのWi-Fiだそうです。都会や有名観光地では設置が進んでいるようですが,地方ではこれからという状況だそうです。折しも平成32年には東京オリンピックが開催され,国はオリンピックまでに全国3万カ所に公衆無線LAN,いわゆるこのWi-Fiを設置する方針を固めています。また,首都圏を除く地方の免税店を海外からの観光客の増加を見越して3倍に増やすという計画もあるそうです。さらに,世界文化遺産に三角西港や荒尾の炭鉱など,九州各地の明治の産業革命遺産群が登録勧告されております。 このような状況の中で,本市もネット環境を整備し,地方へも急増が予想される観光客,特に外国人観光客の要望に応えると共に,さらに観光客を呼び込み地域活性化につなげていかなければならないと思います。 そこで,現在の宇土市の公共施設でのWi-Fiの設置状況を企画部長にお尋ねします。よろしくお願いします。 ○議長(村田宣雄君) 企画部長,荒木繁男君。 ◎企画部長(荒木繁男君) 宇土市の公共施設へのWi-Fi,無線LANの設置状況をお答えをいたします。 まず始めに,Wi-Fiについて少し説明させて頂きます。Wi-Fiとは,スマートフォンやパソコンなどと数十メートル程度の範囲内で無線を利用してインターネットにつなげる技術のことであります。そして,そのWi-Fiを利用できる場所のことをWi-Fiスポットと呼んでおります。このWi-Fiスポットにはいくつかの種類がありますので,簡単に紹介をいたします。 1つ目は,契約している携帯会社の条件を満たすことで,Wi-Fiを原則無料で利用できる各携帯会社提供のWi-Fiスポット。2つ目が,インターネットプロバイダー,又は低料金で利用できるWi-Fiスポット提供会社と契約することで利用できる優良のWi-Fiスポット,最後に,コンビニやカフェなどが提供する携帯会社も選ばず無料で利用できるフリーのWi-Fiスポットがあります。宇土市では,平成24年に最初に紹介しました携帯会社が提供する無料の「Wi-Fiスポット」の設置に向けて,ソフトバンク,NTTドコモ,auの3社に対し依頼した結果,3社のうちソフトバンクから協力頂ける回答を得ましたので,本庁1階ロビー,別館1階,各支所,議会棟,保健センター,中央公民館,花園コミュニティセンター,市民体育館,市民会館1,2階のロビー及び楽屋の計12カ所にソフトバンクのWi-Fiスポットを設置しております。 以上です。 ○議長(村田宣雄君) 田尻正三君。 ◆3番(田尻正三君) 現在,市の公共施設に12カ所設置しているということでしたが,これは全く不十分であると思います。Wi-Fi無線の電波が届く範囲は数十メートルとお話がありましたが,これが大きな施設ならば数個のルーター,いわゆるこの無線を飛ばす機械ですね,これを設置する必要もあります。もし市内を広くカバーするとなれば,民間への普及の働きかけも必要になると思います。熊本県では,熊本無料Wi-Fiを進めているそうです。また,熊本城ではWi-Fiとタブレットを利用して観光案内は外国人観光客にも好評だそうです。これは,いろんな国の言葉に対応されているそうです。さらに,県内の世界遺産候補地に熊本無料Wi-Fiの設置を検討されているようです。そして,現在,宇土市のある大型ショッピングセンターでは,管内に1カ所しかないこのルーター,無線を飛ばす機械を増やして,全館で使えるように検討中だそうです。さらに,この外国からの観光客を見越して免税店をテナント誘致することも考えておられるそうです。 こういう状況の中で,これから先,本当にこの外国人の観光客がこの宇土市の中にも入ってこられると思います。そして,このWi-Fiの業者のほうでも利用者の利便性を考えて,認証方式の統一を使いやすくするなどの動きもあります。これは,今現在,いろんな業者さんが入っておられまして,認証の方式がいろいろあるそうです。これを二つに絞り込んでいこうというような今動きがあるそうです。 こういうことで,ますますWi-Fiというものが広がっていくものと思います。この宇土市でも御輿来海岸の展望所や轟水源地,例えば大太鼓収蔵館や船場橋,何よりこの宇土駅や網田駅にはぜひこのWi-Fiの環境が欲しい。このWi-Fiの環境があれば,今後の観光客の増加にもつながってくるかと思います。 また,このWi-Fiは災害時にも固定電話や携帯電話がダウンしたときに代替えの通信手段にもなるそうです。そこで,国や県では地域の社会基盤として普及に努めているようですが,今後の宇土市での普及対策,又は対応をどのように考えておられるのかお尋ねします。よろしくお願いします。 ○議長(村田宣雄君) 企画部長,荒木繁男君。 ◎企画部長(荒木繁男君) 観光振興・地域活性化のため,公共施設や観光地へのWi-Fi設置,民間への設置推進についてのご質問にお答えをいたします。Wi-Fiは,電話回線が混雑して利用できない場合でも,インターネットにアクセスしやすく,スマートフォンなどWi-Fiを利用できる端末が急速に普及していますので,災害時でも効果的に情報を授受したり発信したりできる通信手段として使用できます。 また,外国人観光客を中心にWi-Fiの充実の要望が多く,国も2020年の東京オリンピック,パラリンピックの開催に向けて,観光拠点等での整備充実を促すなど,Wi-Fiは今後の地域の社会基盤として防災や観光の集客に加え,教育,医療,産業などで様々な用途に使われていくことが期待をされています。 Wi-Fiの整備につきましては,公共的な観光拠点や防災拠点については民間の投資インセンティブが低いことを踏まえて,自治体が主導的に行う一方,ホテル,コンビニ,飲食店などの商業施設については,民間と連携していくことになります。 このWi-Fiについては,先ほど申したとおり,ICTインフラの中でも災害に強く,地域活性化のツールとして国もこれを支援することとしておりますので,本市においても今後他の自治体の取組み状況を調査研究しまして,本市に最適なWi-Fi環境を目指していきたいと考えております。 なお,西部地域においては,高速で利用できるWi-Fi環境の前提となる光ファイバー網が未整備という課題もありますので,通信事業者への整備の要望を継続してまいります。 以上でございます。 ○議長(村田宣雄君) 田尻正三君。 ◆3番(田尻正三君) 執行部には前向きなご答弁,本当にありがとうございました。 これにて,私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(村田宣雄君) 以上で,本日の質疑並びに一般質問を終わります。 次の本会議は,明日24日,水曜日に会議を開きます。 本日は,これをもって散会をいたします。お疲れでございました。             -------○-------                午後1時43分散会...